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【イベントレポート】Sustainable Food NIGHT #20 2024.08.22


こんにちは! Sustainable Food Asia株式会社(以下SFA)のインターンの丸山です。

2024年8月22日(木)に開催された『Sustainable Food NIGHT #20』〜塩分過剰摂取の問題を海藻成分から解決する〜の開催レポートをお送りいたします!


Sustainable Food NIGHTって?

日本・アジアから世界に「サステナブルフード」を定義するべく国内外でイベント開催や出展、現地ツアー等を行うSustainable Food Asia株式会社が主催する、月例ナイトイベントです!2023年6月グランドオープンのSustainable Food Museum(以下:ミュージアム)内で毎月、サステナブルな食の未来を作るため奔走するスタートアップ企業の代表をゲストに招き、トークセッション+試食懇親会を開催しています。


登壇者プロフィール

◇メインゲスト:
- トイメディカル株式会社 代表取締役 竹下 英徳氏
鹿児島県出水中央高校普通科特進課程卒業後、兵庫県立大学理学部を卒業。シェリングプラウ株式会社に入社し、後にリバテープ製薬株式会社技術開発部にて15年間医療機器や医薬品を中心に商品開発に従事。日本初のキット消毒剤で第三回日本ものづくり大賞九州経済産業局長賞を受賞。その後、トイメディカル株式会社を設立し、熊本大学と共同研究した日本初の塩分吸収抑制サプリメント『デルソル』を発売。スタートアップワールドカップ2020日本予選ファイナリストに選ばれ、ヤマエグループホールディングス株式会社と資本業務提携を締結。「J-Startup KYUSHU」にも選定される。

◇モデレーター:
株式会社リバネス 執行役員 塚田 周平
東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命工学専攻修了 博士(農学)上級バイオ技術者
【専門分野】農学、分子生物学、土壌微生物学
設立初期よりリバネスの運営に参加。教育・研修事業、各種ライティングに関する実践を学んだ後、アグリ分野の先進技術開発・導入、地域創業エコシステム構築事業の立ち上げを行う。

Sustainable Food Asia株式会社 代表取締役 海野 慧
1984年生まれ。高校生の時に「世界がもし100人の村だったら」という本を読み、国際協力開発に関与する仕事を志ざし、立命館大学国際関係学部に進学。株式会社じげんの創業期に2007年新卒で入社。2013年に事業管掌取締役となり、東証マザーズへ上場。2019年退社。
2020年、CarpeDiem株式会社を創業。社会課題の本質的解決を実現するためにSTART CAMPなどのカンファレンスを運営。2022年、アジアからサステナブルな新しい食産業のエコシステムを創るため、子会社にSustainable Food Asia株式会社を設立。フルーツミートの展開や、アジアのフードテックスタートアップを集めたSustainable Food Camp、Sustainable Food Museum/サステなおむすび等運営。

今回は、トイメディカル株式会社(以下トイメディカル)の代表取締役、竹下 英徳氏をゲストにお招きし、「〜塩分過剰摂取の問題を海藻成分から解決する〜」というテーマでのトークセッションと、試食会兼交流会が実施されました。


イベント概要

日時:2024年8月22日(木)18:00~20:45
会場:Sustainable Food Museum(サステナブルフードミュージアム)
参加料金:5000円(※Peatix事前申し込制
主  催:Sustainable Food Asia株式会社
プログラム:
・トイメディカル株式会社 事業紹介
・トークセッション 「塩分過剰摂取の問題を海藻成分から解決する」
・試食を兼ねた懇親会


トークセッション「〜塩分過剰摂取の問題を海藻成分から解決する〜」


<左からSFA 海野、トイメディカル 竹下氏、リバネス 塚田>

トイメディカルについて

トイメディカル株式会社は、2013年に設立され、創業から10年以上が経過しています。当初は医療機器や透析患者向けの商品を製造していましたが、創業者の友人が人工透析を必要とする状況になり、それでも地元の熊本ラーメンをもう一度でいいから食べたいと言われたことをきっかけに、塩分吸収を抑える技術の開発に着手しました。現在は、この技術を活用したサプリメントや食品の開発に取り組んでいます。


ディスカッションテーマ「〜塩分過剰摂取の問題を海藻成分から解決する〜」

トイメディカルの紹介の後、本日のディスカッションテーマ「〜塩分過剰摂取の問題を海藻成分から解決する〜 」についてディスカッションが行われました。


塩分過剰摂取問題の現状と課題

竹下氏は、塩分過剰摂取問題について以下のように述べています。

  • 世界的に心疾患と脳卒中が死因の上位を占め、これを誘発する一つの原因として塩分の過剰摂取が関係しているとされている。

  • WHOは塩分摂取量を減らすことで心疾患と脳卒中のリスクが下がることを発表し1日の塩分摂取量を5g以下にすることを目指している。

しかし現状、1日の塩分摂取量が8g〜10gの国が多く、WHOの推奨する5gを大きく上回っている

〈心疾患・脳卒中は塩分摂取量を下げることでリスクが低減する〉
〈しかし全世界の塩分摂取量は5g/dayを上回っている〉

ではなぜ、減塩に向けた取り組みが阻まれているのか。
竹下氏は以下のようなことが原因になっているのではないかと話します。

美味しさと健康のトレードオフだと言う価値観
多くの消費者は健康よりも味を重視する傾向があると言います。
また、塩の摂りすぎは健康上よくないと理解していながらも、塩分量に注意を払う人は37%に過ぎず、83%の人は味を重視しているなど、健康に気を使うことは大切だとわかっているが、それよりも美味しさへの欲求が優先されているという現状があります。

塩分の代替が困難であるという問題
ナトリウムイオンは生物学的に重要で、味覚細胞に直接作用するため、代替物の開発が極めて困難だと言います。

長期的な効果の実感しにくさと認知度と表示の問題
新しい減塩技術や製品の認知度が低く、消費者に伝わりにくい。また、製品表示に関する規制や制約があり、健康効果を明確に訴求できない場合があると言います。

加えて、減塩の効果は即時に体感できるものではなく、長期的な健康への影響を実感しにくく、結果として継続的な取り組みが難しいという問題があります。


トイメディカルの革新性

これらの課題に対する解決策として、トイメディカルの塩分吸着ファイバーをもちいた「デルソル」「零(しお)」が開発されました。

トイメディカルの革新的な技術は、海藻由来の”アルギン酸”を用いて塩分の吸収を抑えるというものです。

この技術により、舌で塩味を感じながらも、体内での塩分吸収を大幅に減らすことが可能になりました。具体的には、塩分吸着ファイバー約1gで1gから3gの塩分吸収を抑制できるといいます。

この技術が生まれたことにより、従来の減塩方法とは異なり、美味しさを損なわずに塩分摂取量を減らせる点が特徴的であり、食に制限のある人も食の楽しみを失わず、「美味しい」と「健康」をトレードオフしない世界の実現に近づくことができました。


ディスカッション・質疑応答

ディスカッション・質疑応答セッションでは、参加者から多くの興味深い質問が寄せられました。今回は注目すべきポイントをいくつかピックアップしてご紹介します。

  • 1. 製品の味と塩分吸収抑制効果について

Q: 塩分吸着ファイバーの味や美味しさはどうですか?
 A: 舌で塩味を感じながらも体内での塩分吸収を抑制できる技術を実現しているため、ファイバー自体は特に味はなく、零しおに関しては塩味を維持しつつ、余分な雑味を抑えた、一般的な塩の味わいを実現しています。

  • 2. 原料調達と持続可能性について

Q: 製品の原料はどのように調達していますか?
 A: 現在は主に輸入原料を使用していますが、将来的には自社での海藻養殖も検討しています。これにより、原料の安定供給とともに、ブルーカーボンの観点からも持続可能性に貢献することを目指しています。


  • 3. 健康効果の表示に関する規制対応

Q: 製品の健康効果をどのように表示していますか?
A: 規制上の制約があるため、現在は「塩分吸着ファイバー」という表現を使用しています。健康効果の訴求方法については、今後も規制当局との調整を続けていく必要があります。


今後の展望

最後に竹下氏はトイメディカル株式会社の将来の展望を以下のように述べました。

ファストフードのウェルネス化
トイメディカルは、塩分吸収を抑制する技術を活用し、従来のファストフードを健康的なウェルネスフードへと変革することを目指しています。これにより、美味しさを維持しながら、健康的な食生活を促進します。

原料の自社生産を通じたブルーカーボンへの貢献と安定供給の実現

現在は原材料には主に輸入原料を使用していますが、将来的には自社での海藻養殖を計画しています。これにより、原料の安定供給を確保するとともに、品質管理を徹底します。 また、海藻養殖を通じて、二酸化炭素の吸収(ブルーカーボン)に貢献し、環境保護と経済循環の両立を実現していきます。

トイメディカルの取り組みは、「健康的な食生活の促進」と「環境保護」の両立を目指す革新的なアプローチと言えると思います。また今後、この技術と事業モデルが食品業界全体に与える影響と、持続可能な食の未来の実現に向けた可能性に大きな期待を感じました!

ここでは書ききれない内容も盛り沢山なので、ぜひイベントの熱量を体感しにお越しいただけることを楽しみにしております!


試飲会&交流会の様子

後半は、1Fのミュージアムスペースにて試飲会&交流会を実施。
トイメディカルの「零しお」を利用したポテトチップスを試食しつつ、ニチレイフレッシュさんより、コレステロールゼロの魚卵状食品 「みらいくら」、池田糖化工業さんよりみらいくらを用いた、「プラントベース 大葉とみらいくらの植物性バター醤油パスタ」や「プラントベース 酒粕の生チョコ」など4品、ケンコーマヨネーズさんより、「コリっとおいしい冷凍宮城県産元茎わかめの中華仕立て」、nippnさんより「ベジカフェビーツのロゼソース」、NInja Foods「THE NUTS BAR」、TeaRoomさんより「2種の煎茶」、そして今回のドリンクパートナーAgnaviさんの「ICHI-GO-CAN」により多種多様な日本酒を味わいながら、先ほどの内容の深掘りや新たな共創のアイデアを話し合い、みなさん盛り上がっていました!

<乾杯の様子>
<懇親会の様子>

試食ラインナップ


<トイメディカルの”零しお”を使用したポテトチップス>
<プラントベース 植物性ガリバタと”みらいくら”のカナッペ>
<池田糖化工業さん プラントベース 大葉と”みらいくら”の植物性バター醤油パスタ>
<プラントベース 冷やし担々麺>
<プラントベース 酒粕の生チョコ>
<ケンコーマヨネーズさん コリっとおいしい冷凍宮城県産元茎わかめの中華仕立て>


<nippnさん  温野菜 〜ベジカフェシリーズ ビーツのロゼソース〜>
<Ninja Foods THE NUTS BAR>
<Agnaviさん ICHI-GO-CAN>


業界の方々が集う秘密基地的な場所として、Sustainable Food Museumは、今後も定期的にイベントの開催や各社とのコラボ企画を進めてまいります!


次回イベントのご案内(2024/9/26開催)

次回は、9月26日(木)18:00~20:45にて開催予定です!
「トークセッションテーマ〜プラントベースをクリエイティブで熱狂させる!〜」

クリエイティブの領域からフードの世界に飛び込み、現在香川県でプラントベース / アレルギーフリー/ 五葷(ごくん:にんにくやニラなど精のつく食材)フリーのうどんコースを提供するレストラン「by age 18」を営む 株式会社人生は上々だ CEO&Head Creator村上モリロウ氏をゲストに迎えて、トークセッション&試食会を行います!!
また、当日はby age 18の讃岐うどんを試食できるだけでなく、アレルギーフリースイーツ含む、フードテック各社による試食やアルコール類も各種ご用意します🥂🍰

お申込みはこちらのPeatixからお願いいたします!


まとめ

Sustainable Food Museumでは定期イベントの実施だけではなく、ワークショップなどのイベント開催、サステなおむすびでのコラボ商品の展開、ショーケースプロダクトの募集等、幅広い展開を予定しております!

ご興味ある方は、ぜひ以下へのご連絡お待ちしております。
当日お越しの際は、ぜひ運営スタッフにも直接お声がけください!

Sustainable Food Museum お問い合わせ窓口 

showcase@sustainablefoodasia.com

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