未来に残したい、日本の伝統工法「竹小舞」
「機械化できるところが、下穴開けるのにインパクトドライバー使うとこくらいなんですよ」
という言葉を聞いて、いざ竹小舞かきがはじまって、手作業の多さに驚いています。
建て方が無事に終わり、続いては屋根作業となるはずだったのですが、あいにくのお天気つづきで、まるで梅雨のような今年の晩夏。
屋根作業は足元も危ないし、やっぱり天気がつづかないと作業効率も悪いので、夫・バタが雨養生をして、やり過ごしています。
そんな中、セルフビルド家づくりでこれから作っていく壁は、土壁という昔から日本で取り入れてこられた伝統工法のひとつで、あるもんでできるという発想はもちろん、土と竹でできるというシンプルさに惹かれた夫・バタが左官屋の友人であるけんちゃんに連絡を取り始めたことがすべてのきっかけでした。
2年前から、秋の新月時期に竹の伐採を行ったり、新居建設地で土壁塗りで使う荒壁土を仕込んだりと、着々と準備を進めてきました。
しかし、通常は2年も置いておかず、1年も置いておけばいいそうですが、なんせ素人の夫婦が進行している、セルフビルド家づくり計画なので、なかなか予定を立てても思うように進まず、気がつけば1年遅れのスケジュールとなったのでした。
土壁の下地となるのは「竹小舞」と書いて、「たけこまい」と読みます。
壁を塗る下地となるので、しっかり編み込む必要があり、割った竹を縦横に交差させて、それをシュロ縄(あるいはわら縄)で編み込んでいきます。
どんどんと編み込まれていく竹で作られる、新居の壁。
その美しさは言葉には言い表せない、なんともうっとりしてしまう日本の美で、これはなんとしてでも子ども、そのまた子どもの世代…と後世へ引き継がれていくことを願ってやみません。
日本の今昔は気候も変動して、昔の感覚で今は生きるべきではない論もありますが、そうは言っても、高温多湿であることには変わりがない、今の日本の気候。
昔から導入されてきた方法であるメリットとしては、やはり調湿性に優れており、耐火、耐震、耐久性もあるなど、さまざまなメリットが挙げられています。
しかし一方でデメリットもあり、経年劣化でヒビが入ることで、壁土が落ちることや、どうしても手作業での工程が多いため、人件費も嵩み、施工費用が高いことが挙げられることが多いようです。
とはいえ、あるものででき、やがては土に還るという循環型の無駄のない素材であることは魅力で、私たち夫婦はなによりもそこに惹かれています。
さて、そんな竹小舞かきですが、先日9月の上旬に3日間にわたり、左官屋のけんちゃんに指導にきてもらいました。また、それに合わせて、クラウドファンディングでリターンとして出していた学びの場として「竹小舞かきワークショップ」も同時開催!
どの日も和気あいあいとした雰囲気の中、竹小舞を編むために、竹を割ったり、シュロ縄の編み方など一連のやり方をけんちゃんに習い、その場で実践していただきました。
県内はもとより、県外からの参加の方もおり、休憩時間に参加者同士がわいわいと話す様子なんかをみながら、同時に私たち夫婦が出会った場「いえづくり教習所」のことを思い出し、とても心がぽかぽかする瞬間でした。
27坪の平屋の家を建設していますが、壁のほとんどはこの土壁となり、左官屋さんのけんちゃんで、この範囲の壁の下地を仕上げるのに1ヶ月半はかかるだろうとのことで、私たち夫婦が全力でやって2ヶ月はかかるだろうとの見込みです。
竹小舞かきが終われば、次は荒壁土塗りという工程があり、こちらもクラファンのワークショップで楽しみに待ってくださっている方がいるので、なんとしてでも期日までに終わらせねば!という気持ちですが、私もまもなく出産を控え、まずは出産に集中し、その後は赤ちゃんの健やかな成長のために全力を尽くしつつも、自分の体力が回復次第、家づくりの方にも着手していけたらと思っています。
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