なかなか始まらない家づくりの「刻み」。作業小屋の現在とこれから。
「いよいよ家づくりがはじまる」と、かれこれ半年ほど前から公言している私ですが、この「いよいよ」という言葉の持つ曖昧さを自分でも感じています。
「いよいよ」とは、みなさんお察しの通り、
という意味があります。
3年ほど前から少しずつ準備を始めていた私にとっては、この半年はまさに「きわまったぎりぎりの状態」であると判断して「いよいよ」という言葉を使ったわけなのですが、一向にはじまらない家づくりに、この人たちは本当に家を建てるのだろうかと心配されている方もいるのでは…。
最近の小屋の状態は書いた記事は以下を参照。
参照:家を建てる前に、感動して涙が出そうな夫婦っているのだろうか。
外壁が貼り終わり、現在は1畳ちょっとくらいの大きさの寝床を作っています。
名付けて「宿直室」。
なんだかかっこいいイメージが湧いてきますが、それは私たち夫婦の脳内だけでしょうか。
宿直室の現在ですが、あとは入り口の建具の取り付けさえできれば、いつでも寝床にできる状態になりました。
宿直室の壁はなんと贅沢に「漆喰仕上げ」。
漆喰は手軽にできる下地材として、一般的に石膏ボードが使われます。
安価で丈夫なのですが、私たちの手元には大量にある「材木」…。石膏ボードを新たに買い足すのではなく、手元にある木を使おうということで、木摺(きずり)という昔ながらのやり方で行うことにしました。
そして、今回使わせていただいたのは、高知石灰さんよりモニターキャンペーンでいただいた「セルフル」という簡単に塗れる漆喰。色はイエローベージュという、なんともおしゃれ感漂う色の名前がついた漆喰です。
高知石灰の担当さんも私たちを心配されて「大丈夫ですか?」「下地は何を使いますか?」など何度も丁寧なメッセージをいただき、その都度アドバイスもくださり、本当にいい会社だな…と感じたのでした。
この木摺を下地として漆喰塗りをする場合、きちんとした処理をしないと「アク」が出てきてしまうのです。
アクは木部から出てくるので、下地の漆喰を塗って乾燥すると、しましまの柄に。
これはこれでかわいいのかもしれませんが、ちょっとダサい感じもするので、上塗りでアクを消していきます。
そして、木摺の上には、仕上げで使う漆喰を直接塗るのではなく「砂漆喰」といって、砂と漆喰を混ぜたものを下地材として塗るのが一般的なんだそう。
しかし、お世話になっている左官屋さんに聞いてみると、最近の現場では砂漆喰ではなく「瀬戸漆喰」という名前で売られている漆喰を下地材と塗るのが一般的なんだそう。
瀬戸漆喰…!!!!!
実はこの瀬戸漆喰を製造販売している会社の社長が以前、我が家に遊びにきてくださったご縁もあり、我が家にサンプルとしてあった瀬戸漆喰。
これは今回使うしかないのでは!?と夫婦ともどもひらめいて、迷わず、下地材と使うことを決意。
いざ塗ってみると、めちゃくちゃ塗りやすい。
「瀬戸漆喰、画期的やな」なんて話しながら作業を進めていくと、あれ、足りない…。
瀬戸漆喰を買い足すのもひとつの選択肢としてはありだけれど、自宅にそういえば使わずに眠らせている漆喰があったことを思い出し「あれに砂を混ぜて使えばいいやん」と夫婦の意見が合致したことで、足りない部分はそれで補うこととなりました。
しかし、砂漆喰、習った分量でやってみるものの、なんだかゆるくなるし、いざ塗ってみると、木と木の間にどんどん飲み込まれて、なんだかとんでもない量がいるのでは…と絶望感に駆られました。
結局、少しの時間、放置して水分を飛ばし、それから塗ってみましたが、瀬戸漆喰の塗りやすさには敵わず、夫婦揃ってぶちぶち言いながら、なんとか塗り終えました。
その後、高知石灰さんからいただいたDIYで簡単に塗れる「セルフル」の出番がやってきました。
この「セルフル」は、袋に入ったものを少し揉んで、バケツに出すだけですぐ使えちゃうという優れもの。
さらに小分けして入っているので、すぐに使いきれちゃう量なのも嬉しいポイントでした。
こうして、短期間のうちにいろいろな漆喰を試したのですが、「セルフル」は仕上げとして本当に最高で、なんといっても伸びがよく、それはつまり、効率よく塗れるので時短にもなりました。
新居でもこれは使いたいね、なんて言いながら、余裕しゃくしゃくで塗り終わり、しばらく乾燥させると、少し黄色がかったベージュがいい感じに。
その後、壁と天井を施工しました。
そうして、天井と壁も張れて、あとは入り口の建具さえつければ、いよいよ完成です。
家づくりの前に作業小屋に時間かけすぎている感は否めないのですが、作業小屋を建てるというステップがあって、私たち夫婦はこの作業を通して、本当に色々なことを学び、新居の方でも活かせることがたくさんあると感じています。
とんでもなく遠回りしまくっているくせに、年度内には引っ越す!!!とか言っちゃってるので「この人たち、素人なのに本当に大丈夫なの?」と思っている方、たくさんいると思いますが、引き続き、アホな夫婦を温かい目で見守っていただけると嬉しいです。(関西人にとってアホは褒め言葉)
ああ、早く宿直室に泊まってみたいなあ。
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