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【業界研究】 建設業界 〜多様な企業との関係構築と長期に渡る営業プロセス〜


本日は建設業界について調べてみました。


業界定義

建設は住宅やビル、学校、工場などの建物を建築する「建築」と道路やトンネル、橋、ダム、水道などのインフラ整備を行う「土木」に大別されます。

建設業界とは、それらを建設するための、設計、施工を行う業界です。主にはゼネコン「=ゼネラルコンストラクター(総合工事事業者)」と呼ばれます。

建設業界 (5)

業界構造

建設業界の構造を図解すると以下の通りになります。

建設業界 (1)

まずは建物を建てたい人たちがいます。官公庁がダムや橋の建設を考えている場合は公共工事、民間企業がオフィスや工場を建てる場合は民間工事となります。

ただし、建物を建てるには、建てるための設計図を書いて、建築資材を調達して、それらを使って工事をして...などと専門知識、技能がないと出来るものではありません。

それらを個人で民間企業に頼もうとすると、設計はこの設計事務所に、資材はこの資材メーカーに、工事はこの業者にと個別に依頼する必要がありますが、それは非常に面倒なことです。

そこで、設計、施工、調達、管理などを全てをまるっと請け負い、建物の竣工(完成)までを担う役割がゼネコンです。

こんな風に建設に関する様々な仕事を総合して請け負ってくれるので、ゼネコン(総合工事事業者)と呼ばれます。

主要プレイヤー

建設業界の主要プレイヤーは以下のように大別されます。

建設業界 (2)

ここでは詳細は述べませんが、ゼネコンが建物を建てるには多くの企業とのやり取りを通じて工期やコストの調整、管理をする必要があるということです。

建物を建てたいという顧客のニーズを汲み取り、設計事務所の意図を理解し、建築資材メーカーからより安く資材を調達し、設備工事会社がスムーズに工事を進められるよう調整する必要があります。

案件家から引き渡しまでの流れ

建設業界で工事を請け負い、建物を引き渡すまでのプロセスは一般的に以下の通りとなります。

建設業界 (3)

ここでは、特徴的な点のみをご説明します。

1.単品受注生産

建設構造物は、発注者の要望に沿って作られるオーダーメイド品です。つまり、家電のような量産品とは異なり、大量に作って、それらを大量に売るというものとは異なります。

それでは何が重要になるかというと、顧客からの要望をいかに汲み取り、+αの要素を打ち出せるかが肝になります。

発注者は素人の場合もあるため、わかりやすく価値を伝え、可能な限り値段や工期を調整する必要があります。または、建物以外の部分でも節税対策の提案やテナント探しなども合わせて提案する企業もあります。

2.入札/特命受注

公共工事では、入札方式を採用しているため、必ず複数の企業が提案を行い、その中から選ばれます。

民間工事でも入札を採用していることもありますが、そうではなく、特命受注、つまり、企業を指定して受注をいただけることがあります。

特命受注をいただくことができれば、無理に積算金額を下げることもなく、比較的高い利益率での受注が可能となるため、民間工事の営業担当者は特命工事をもらえるような関係を築くということが一つのゴールとなります。

そのためには、日頃の関係構築や施工後のアフターフォローなどが重要となります。案件が始まってから動く、施工管理のために頑張るではなく、営業マンは日常から長期的な関係づくりを目指し、関係構築のためのシナリオを考えたうえで行動する必要があります。

3.多重下請構造

ゼネコン業界では、受注がゴールではありません。むしろ、受注してからの後工程が非常に重要となります。

例えば工期に遅れが発生したり、当初の積算金額に収まらず、赤字になったりしてはせっかく受注した案件が無駄になってしまいます。

これらをトラブルなく引き渡すためには、協力会社との協力が必要です。日頃から良好な関係を築きつつ、情報共有をして工事を進める必要があります。

建設業界の営業がやるべきこと

上記の内容を踏まえ、もし私が建設業界の営業になった場合、以下の3つが重要であると考えます。

建設業界 (4)

1.顧客との関係性強化

先程、特命受注の話をしました。

特命受注を受けるためには日頃から信頼関係を築き、頼りになる営業マンである必要があります。そのためには、逆に相手との関係性を可視化し、それらを強化するための計画を練る必要があります。

具体的には、顧客内部の人脈マップを作成し、どの部門の誰がどのような役割であるのか。現在の関係性はどのようになっているのかなどを可視化出来る状態を作ります。

そして、さらなるファン化(関係性強化)のために、今後どのようなアクションを起こしていくのかというシナリオを建て、愚直に実行するということが必要です。

2.勝負する案件の選別

建設業界の案件は長期に渡る戦いです。そのため、結果的に失注となった場合はそれまでにかけた労力は全て水の泡となります。

そのため、自社が勝負すべき(勝てる見込みのある案件)の基準を設けるべきだと考えています。

例えば、自社が過去に実績のある工事であったり、既に決済者との関係性が作られていたり、案件の情報を得るタイミングが他社より早かったりと複数の条件を設け、合致した案件にのみ参加するというのが必要です。

そうすることにより、勝率の高い案件に集中することが出来るため、非常に効率的な営業活動を行うことが出来ます。

3.付加価値のある提案

当然ではありますが、自社にとっては売上高、利益は高いに越したことはありませんが、顧客にとっては低いほうが好まれます。

ただし、金額以上の価値を伝えられる事ができれば、価格は高くとも受注を得ることが出来ます。そうすれば、顧客にとってより良いものを納品することができ、自社や協力会社にも還元することが可能です。

ただし、それは言葉でいうほど簡単なことではありません。そのため、提案の前には必ず上司がレビューするであったり、提案時に確認すべきチェック項目などを設けておきます。

また、顧客の決済者が何を重視しているかも重要です。付加価値のある提案をした場合もコスト重視の方が決済者であれば、その提案は通りませんので、それらを踏まえた上で提案をします。こちらも1つ目の人脈マップをうまく活用することが出来れば、しっかりと相手に刺さる提案が出来ます。

以上が私の業界研究の結果です。

私もこの業界に属しているわけではなく、調べた情報と自分の考えを織り交ぜて書いておりますので、もっとこういったことを知りたいであったり、ここは違うよというご意見がありましたら、コメントにて教えていただけると助かります。


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