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日本のM2(マネーサプライ)の伸びが止まった─日銀の蛇口が閉まり、不動産市場に直撃、今は現金を確保すべき時
1. M2の伸びが止まる──日銀は何をしているのか?
ここ数ヶ月、日本の M2(マネーサプライ、広義の通貨供給量) の伸びが止まっている。
これはつまり、市場に流れるお金の供給が抑えられている ということを意味する。
M2の伸びが鈍化する背景には、日銀の金融政策の変化がある。
金融緩和の縮小 → 超低金利政策を転換しつつある
国債購入の抑制 → 長期金利のコントロールを緩和
金融機関への貸出の伸び悩み → 資金供給が滞る
つまり、「蛇口を閉めた」状態 だ。これによって、真っ先に影響を受けたのが 不動産市場 である。
2. 影響を受ける不動産市場──真っ先に冷え込む理由
日経新聞も報じているように、不動産市場への影響が顕著に現れている。
(1) 住宅ローン金利の上昇
これまで 低金利で支えられていた住宅市場 だったが、
金融緩和の縮小 → 銀行の貸し出し姿勢が慎重に
金利が上昇傾向 → 住宅ローンの金利負担が増大
この影響で、住宅購入を控える動きが加速 している。
(2) 投資用不動産市場の停滞
日本の不動産市場は 低金利と資金供給によって支えられていた 側面が大きい。
M2の伸びが止まると、銀行の貸出が減少し、
不動産投資に資金が回りにくくなる。
その結果、投資需要が減り、不動産価格の下落リスクが高まる。
(3) 商業不動産への打撃
特に影響が大きいのがオフィスビルや商業施設 への投資だ。
コロナ後の回復期待で投資が進んでいたが、資金調達コストが上昇 し、投資が減少
外国人投資家の動きも鈍化 → 円安の影響も加わり、日本の不動産市場に慎重な姿勢が広がる
3. 今は現金を確保し、新たな投資機会を待つべき時
現在の市場環境では、資産を持ち続けることが リスク になりつつある。
(1) 不動産価格の調整局面
これまでの不動産価格は 過剰流動性 によるバブル的な要素があった。
今後、M2の減少とともに 価格調整が起こる可能性が高い。
(2) 株式市場もリスクオフへ
不動産市場だけでなく、株式市場も 流動性が低下 し、急激な成長が難しくなる。
金融引き締め局面では、キャッシュポジションを高めるのが基本戦略。
(3) 現金を持つことが最大の防御になる
今は急いで投資するのではなく、次の大きなチャンスを待つべき時期。
「底値をつかむ」ための余裕を持つことが、将来のリターンにつながる。
4. 日銀の狙いと今後の展開
日銀は、これまでの 異次元緩和 を少しずつ縮小しようとしている。
しかし、市場の資金供給を急激に絞れば、経済全体に悪影響を与える。
日銀の狙いは「ソフトランディング」
金融引き締めを急に進めると、リーマンショック級の信用収縮が起こる可能性がある。
しかし、不動産市場が冷え込むと、消費や企業活動にも波及するリスクがある。
「景気後退」への懸念が高まる
不動産市場が冷え込むと、建設業・不動産業が打撃を受ける。
それに伴い、関連する雇用や消費にも影響が及ぶ可能性がある。
5. 日本経済はどうなる?今後の注目点
今後、注目すべきポイントは以下の3つ。
(1) 日銀の金融政策の方向性
もし、今後もM2の伸びが鈍化し続ければ、日本経済全体に影響が及ぶ。
日銀がどこで「再び蛇口を開く」のか に注目が集まる。
(2) 不動産市場のさらなる冷え込み
住宅ローンの金利がどこまで上がるか?
不動産価格は下落するのか?
企業のオフィス需要や投資マインドは冷え込むのか?
(3) 海外投資家の動向
海外の資金流入が止まると、不動産市場の下落は加速する。
円安が続く中、海外投資家が「日本市場に魅力を感じるかどうか」がカギ。
6. まとめ:今、日本経済は分岐点に立っている
日本のM2の伸びが止まったことで、日銀が金融引き締め方向にシフト していることが明らかになった。
その影響が 真っ先に不動産市場に表れた ことは、今後の日本経済を占う上で重要なサインだ。
この流れが続けば、不動産市場の冷え込みは一時的なものではなく、日本経済全体の景気減速へと波及する可能性が高い。
今は焦って資産を動かすより、現金を確保し、新たな投資の機会を待つべき時である。
日銀の動向を注視し、慎重に市場を見極めることが、今後の資産防衛のカギになるだろう。
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