19歳、ホームレス記録。【2019/12/20,21】
出演する舞台の本番が近づくと、じわじわと二次関数的に増える多幸感が好きです。
人生で努力する瞬間は数あれど、それぞれの努力が目に見える形で、一つの終わりを迎えることはそう多くない。
テストも、受験も、就活も、先のための、先を見据えての努力だから、終わったと同時に始まりも感じる。だから終わりは意識を向けられにくい。
演劇には、終わりがある。正確に言うと終わる訳ではなく、ただ始まりがやって来ないだけなのだが、それが終わりを実感させる。
千秋楽の後は空っぽになる瞬間がある。前夜には眠るし、当日には靴を履く。
いつもと変わらない日常だし、なんなら明日も変わらないけれど、なぜか無関係なものまで噛み締める。
僕は今、夜は眠らないし、靴も脱がないけど、だからこそさむくて長い夜と、舞台袖で靴を脱ぐ開放感を楽しんでいる。
ホームレスを初めて本当によかった。
時代や環境や立場に感謝することは多かったけれど、ホームレスだからこそ味わえる感情は、初めて持ったかもしれない。
ミズキ、19歳、今日も今日とて幸せです。