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【エッセイ】おい!!本ばっかり帯コメントずるいぞ!!映画にもつけさせろ!!〈1〉

 本についてる帯コメントに注目したことある?

 帯コメントは、その本の編集者が書くことが多いけども、有名人が書いた本の場合は、その著者の知り合いの著名人に書いてもらうことが多い。

 ほら、例えば、あいみょんが本を出したとしたら、おそらくその帯コメントを書くのは、米津玄師菅田将暉とかじゃないか?と思うじゃない?

 なぜかというと、同業者であるから、「そういう目線」でその人の作品をとらえることができるから。

 編集者が堅苦しい文章で書くよりも、有名人が若干かっこつけてつけたキャッチコピーの方がすんなり馴染む時もある。


 まぁ、その帯コメントの起源とかは今回置いておくけど、僕が議論したいのは、「本ばっかり帯コメントがついてずるい」ということである。

 当然、本屋で手に取ってもらいやすくするための方法であることは承知しているが、映画でもそれをやったって問題なかろうに。

 映画だって、有名人がコメントしたっていいだろうに。ちょっとかっこつけて、イタくなってしまってるキャッチコピーがついたっていいだろうに。

 というわけで、僕が勝手につけます文句ある?

 ついでに、帯コメント=通称:帯コメと名付けてみよう。


 そもそも「映画に"帯"コメントってどういうこと?」という、至極当然な指摘をされそうなので、先に言っておくけど、そんな小さいことは気にしないでほしい。さぁいくぞ。


 今回の方針としては、芸能人が書いた本に、芸能人がつけるような、ちょっと斜に構えたような、若干イタい文章を心がけていきます。実例を挙げたいのだけれど、それだけでいじっていることになりそうなので、みなさんは各自「(芸能人の名前) 本 帯コメント」とGoogle検索してみてください。死ぬほど出てくるので


1.タイタニック(1997)

https://www.seasea.jp/media/detail.php?p=1377

 さて、最初は誰もが知っている映画からいきましょう。

 おなじみのジェームズ・キャメロン監督の『タイタニック』です。一応、一番下には「劇場で、感動がもっと深くなる」とあるけども、なんかこの他人行儀な感じが気に入らない。温かみがないんですよね。作者の不在を感じるというか。

 もしこれが映画ではなく、ジェームズ・キャメロンが出した小説だった場合、知り合いの有名人に帯コメントを頼むと思うんですよ。例えば、キャメロン監督のWikiによると、俳優の藤岡弘、と仲がいいらしいので、日本語訳版が出る際には、藤岡さんがコメントをするだろう。たぶん「僕がねぇ…淹れたコーヒーみたいにねぇ…温かみがある作品ですねぇ…」とかだろう。

 では、そろそろ僕がつけたい帯コメントを発表しよう。

恐ろしい海の深さは、二人の愛の深さを超えられない。

これほど美しい愛の物語があったかもしれないということを、
僕は信じていたい。

 どうだろう。いい感じじゃないか?

 この対比表現を活かした前半部分と、そして「エモさ」をふんだんに加えた後半部分。この両立はすごく「帯コメ」っぽい

 暖かさもあって、愛が込められた文章だと思う。あと適度にイタい。ここの再現度も評価していただきたい。


2.バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985)

https://www.amazon.co.jp/-/en/FBA_539691/dp/B0014XMW1W

 またしても、定番の傑作ですよ。

 あのロバート・ゼメキス監督の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』ですわ。こういうSFものに帯コメントがついてるのなんて見たことないからね。つけがいがあるよね。腕が鳴るぜ

 ポスターに注目してみると、なんか英文が書いてある。

He was never in time for his classes…
He wasn't in time for his dinner…
Then one day… he wasn't in his time at all.
彼は授業に間に合ったことがない…
夕食にもだ…
しかしある日…彼は時間にすら間に合えなくなる…

 という、コメントとは程遠いような、内容のほのめかし程度のキャッチコピー。めちゃくちゃ粋でおしゃれだとは思うけど、これはさすがに帯コメントとは言えない。

 では、そろそろ僕が考えた帯コメントを提出しよう。

過去を振り返りすぎることは良くない。
過ちを振り返ることもだ。

ただ、時には、「戻ってみること」も重要なのかもしれない。

 これどうでしょう。配給会社さん、これ30万で使用権売りますよ?

 ポイントは、「過去」と「過ち」で、「過」という字を繰り返している点ですよね。「過去」という字には「過ち」が隠されているんだなぁ、という日本語独自の深みが出てるんじゃない?どう?

 あと、「戻ってみること」っていう風に、かっこで囲ったことで、含みを持たせてるのが我ながらうまいと思うね~こういう工夫をすることで、人って見たくなるんじゃない?


3.ダークナイト(2008)

https://movie-tsutaya.tsite.jp/netdvd/vod/artDetail.do?pT=0&ttvArtCd=100001655&code=&ct=1

 バットマンの新作公開記念として選んでみましたよ。クリストファー・ノーラン監督の傑作、アメコミ映画の方向性を定めた重要な作品。

 たしかこの映画のキャッチコピーは「覚悟しろ、度肝を抜かれる」だったはずなんだけども、これはちょっとすごいよね

 キャッチコピーとして完璧すぎる。帯コメとしても使えるしね。正直、これを超えるのはめちゃくちゃ難しいと思うんだけど…唯一言うとしたら、帯コメとしては短すぎる。帯コメであればもう少し長い方がいい。

 でも、一応発表してみようと思います。

真の狂気と対峙した時、僕は僕でいられるだろうか。
それとも、僕も奈落に落ちてしまうのだろうか。
〈狂気の象徴=ジョーカー〉が問うのは、実に普遍的な問いなのだ。

 どうだろうどうだろう。帯コメっぽくない?

 あえて長めに設定することで、元の出来が良すぎるキャッチコピーとの差別化を図っているわけだよ。このかっこ〈〉を使うことで、こなれ感を出すというかね。粋な感じ出るでしょ。いいでしょ。


 こんな感じで、もし映画に帯コメをつけるようなことがあったら、僕に連絡ください。なんでも帯コメつけちゃいますよ~

 また明日!

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taiga
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