ウェルネスとヘルスの違い|輝くように生き生きした人生を送る!それが真に健康であるということだ。
はじめに
人生100年時代とも叫ばれる昨今、「ウェルネス」という新たな考え方が注目を浴びています。セクシャルウェルネスという概念にも、このウェルネスという言葉が含まれています。
ウェルネスに類似する言葉として「ヘルス」があります。どちらも日本語に直訳すると「健康」となりますが、両者には独特の意味があります。ただ、互いに関連し合ってもいます。
この記事では、ウェルネスとヘルスの意味とその関連性を学んでいきましょう。両者の改善に役立つヒントをいくつかご紹介させていただきますので、ぜひ日々の生活に取り入れて実践してみてください。
ウェルネスとヘルスの違い
ウェルネス(wellness)という言葉は、古代からのルーツを持つ現代語です。ウェルネスの基本的な考え方は、東洋(インド、中国)から西洋(ギリシャ、ローマ)までの古代文明にまで遡ることができます。
ウェルネスは、もともとは自然なアプローチによる自己治癒力、予防的ケアに焦点を当てたもので、現代ではセルフケア、フィットネス、栄養・食事療法、精神的運動(ヨガなど)などによって実践されています。
ウェルネスは日本語に直訳すると「健康」を意味しますが、私たちが一般的に認識している健康を意味する言葉は「ヘルス」だとおもわれます。では、ウェルネスとヘルスが意味する健康は、それぞれ何を指しているのでしょうか?
ウェルネスとは、単に身体的な健康だけを意味するのではなく、生活の質(クオリティオブライフ)だったり、生きがいに関連した健康全般のことを指す言葉です。 健康をより広く総合的に捉えた概念であって、私たちの人生における幸福のすべての側面を網羅している言葉になります。
ポイント!
体だけでなく、心も含めた総合的な価値を享受し、肉体的にも精神的にも輝くように生き生きしている状態にあること。それがウェルネスが指す「健康」という意味です。一方で、ヘルスという言葉は、”病気でないこと”という肉体的な意味に限定して用いられます。
全米ウェルネス協会(National Wellness Institute)によると、ウェルネスとは、“健康で充実した生活につながる活動、選択、ライフスタイルを積極的に追求するプロセスであって、病気から解放されること以上の変化と成長のダイナミックな活動である”、と定義しています。(全米ウェルネス協会より引用)
この定義において重要なポイントは、以下の2点になります。
① 受動的で静的な状態ではなく、むしろ能動的かつ動的な追求であること。② 集団の追求ではなく、個人の追求であること。
ウェルネス指数を測るための指標
ウェルネスの意味について、ヘルスという言葉と比較しながらみてきました。では、実際に私たちがウェルネスを享受できているかどうかをどのような基準をもって測ればよいのでしょうか?
そこで登場するのが、「ウェルネス指標」です。ウェルネス指標には8つの指標があり、これらは最適なウェルネス(健康)を追求する上で等しく重要なものになります。 各指標における健康をバランスよく維持し、最適化する方法を理解することで、あなたの人生における全体的な健康を満足なものにすることができるでしょう。
⑴ 感情のウェルネス
感情のウェルネスとは、自分の感情を受け入れ、何の制約もなく自分の感情表現ができる状態にある ことを意味します。自分の感情を受け入れることができれば、なぜそのように感じているのかを理解し、その感情に応じてどのように行動したいかなど、主体的に適切な意思決定をすることができます。また、感情のウェルネスには、経験から学び成長する能力をも含んでいます。
<感情のウェルネスを高めるためには>
ポジティブな感情とネガティブな感情の両方に注意を払い、常に楽観的であることを忘れないようにしましょう。 そうすれば、すべての感情を自信を持って受け入れることができ、あなたの人生はよりバランスのとれたものになります。そして、深い気づきを得ることができるようにな流でしょう。
<実践すべきこと>
① 常にポジティブでいる
② 笑顔を心がける
③ 必要なサポートを求めたり、受け入れたりする
④ 感謝の気持ちを生活に取り入れる
⑤ マインドフルであること(いま、ここに生きる)
⑥ 間違いを受け入れて、そこから学ぶ
⑦ 身体のウェルネス
⑵ 身体のウェルネス
身体のウェルネスとは、身体活動、栄養、精神的な健康のバランスが整っており、身体が最高の状態に保たれている状態にある ことを意味します。
<身体のウェルネスを高めるためには>
身体活動、適切な栄養、そして強い心(メンタルヘルス)を通して、身体をケアすることが大事になります。 身体的に活発的で、バランスの良い食事を摂り体を育てることで、自尊心や自制心を高めることができます。身体の健康と心の健康の関係を理解することで、自分の体がどのように物理的に機能しているかを理解し、それを精神的にどのように感じるかに結びつけることができるようになります。
<実践すべきこと>
① 毎日30分間、身体活動を行う
② 階段を使い、可能な限り歩く
③ 安全なセックスを実践する
④ 体調不良を感じ始めたときの警告サインに気づくことを学ぶ
⑤ 様々な健康的な食品を食べ、食事の量をコントロールする
⑥ 規則正しい睡眠スケジュールを維持(毎晩7~9時間の睡眠時間の確保)
⑶ 社会的ウェルネス
社会的ウェルネスとは、他者との健全な人間関係を築けている状態にある ことを意味します。最適な社会的ネットワークを持つことで、自己主張のスキルが身につき、社会的状況の中において自分に自信を持てるようになります。また、肯定的な社会的ネットワークに囲まれていることで、自尊心も高まります。
<社会的なウェルネスを高めるためには>
共感と積極的な傾聴を実践しましょう。 周囲の人々との真のつながりを育むことで、困難な時期には、その人間関係があなたの支えとなります。コミュニケーションや信頼を通して形成されたネットワークを持つことは、感情的な回復力を構築するためにも非常に重要なことです。
<実践すべきこと>
① 自分自身と自分の社会に対するニーズを振り返る
② 自己開示を実践する
③ 積極的に話を聞く練習をする
④ クラブや組織に参加する
⑷ 金融(経済)のウェルネス
金融のウェルネスとは、財務の健全性がとれている状態にあることを意味します。お金を十分に持っていないと、健康にも影響を与えます。経済的なストレスは、不安や恐怖の原因になることが繰り返し発見されています。支出を把握し、予算を立て、それを守ることは、財政的に責任を持ち、自立した生活を送るために必要な重要なスキルになります。
<金融のウェルネスを高めるためには>
経済的な支出をうまく管理する方法を学んでいきましょう。 今、財務の健全性を最大化する方法を学ぶんでおくことで、将来、潜在的にストレスの多い財務状況に対処するための準備ができます。お金の状況は人それぞれなので、自分のニーズに応じて最適なリソースを適切に組み合わせていきましょう。毎日少しずつ時間を作って、経済的に賢い習慣を身につけることは、将来の目標を達成するための貴重な投資となります。
<実践すべきこと>
① お金の問題を後回しにしない
② 財務状況の記録を整理しておく
③ 先に計画を立て、予算目標を設定する
⑸ 知的ウェルネス
知的ウェルネスとは、知的探究心や好奇心が刺激されている状態にある ことを意味します。新しいアイデアや理解を探求することは、心を豊かにし、より人生を豊かになるために大切なことです。好奇心が重要なのは、新しいことを試してみようという意欲を高め、自分と他者、環境との関係を新たな視点をもって理解することができるからです。
<知的ウェルネスを高めるためには>
創造的で精神的に刺激的な活動に従事しましょう。 これらの活動は、自分の知識や技術を広げ、他の人と共有することを可能にするものでなければなりません。知的ウェルネスは、学業、文化活動、地域社会への参加、個人的な趣味を通じて発展させることができます。知的ウェルネスが発達すると、他のウェルネスの領域と連携して、よりバランスのとれた生活を実現するための個人的な資源を開発することができるようになります。
<実践すべきこと>
① 心を開いてください(新しいことを受け入れる)
② 聞くこと(アクティブリスニング)
③ 趣味を持つ(スキルを高める)
④ 旅行を楽しむ(他の文化への感謝/体験)
⑤ 芸術に触れる(創造性と芸術的表現を高める)
⑹ 職業上のウェルネス
職業上のウェルネスとは、仕事を通じて満足感、豊かさ、仕事の意味の重要性を認識している状態にある ことを意味します。自分にとって満足のいく職業活動に参加することで、個人的な満足感を得て、人生に豊かさを見出すことができます。職業上の健康を維持することは、個人的にも職業的にもやりがいのあるユニークなスキルや才能を身につける上で重要なことです。
<職業上のウェルネスを高めるためには>
様々なキャリアの選択肢を探り、自分が最も楽しめる機会を追求しましょう。 キャリアをどのようなものにするかは、人生において非常に重要な選択の一つです。仕事に対する気持ちの持ち方が人生における全体の幸福度に影響を与えます。また、職場のストレスを見極めることは、最適なレベルの職業生活を実現するための鍵となります。
<実践すべきこと>
① あなたの職業のニーズを反映している仕事を探す
② 同僚とのオープンなコミュニケーション
③ 現実的なキャリア目標を設定し、常に目標達成に向けて努力をする
④ 興味のある有給・無給の仕事やボランティアの機会を探す
⑺ 環境のウェルネス
環境のウェルネスとは、環境を大切にしたライフスタイルを送り、地球と調和して生きている状態にある ことを意味します。
<環境のウェルネスを高めるためには>
すべての自然とそこに生きるすべての種に対して敬意を払いましょう。 自然や自分自身の環境との交流を図ることで、健康的な環境を促進する習慣を身につけることが大切です。環境を意識するようになると、自分の日々の習慣が環境にどのような影響を与えているかに気づくようになり、結果的にバランスのとれたライフスタイルを実現することができます。
<実践すべきこと>
① エネルギーを節約する
② リサイクルする
③ 環境保護団体にボランティアとして参加する
④ 地球の天然資源の役割を認識し、理解する
⑤ 屋外で時間を過ごし、ビタミンDを増やす
⑻ 精神のウェルネス
精神のウェルネスとは、自分の人生に対して感謝の念を抱けている状態にある ことを意味します。精神のウェルネスは、宗教的な信仰、価値観、倫理や道徳などの様々な要因を介して定義することができますが、それ以上に、あなたが特定の宗教的な信仰を信じているかどうかに関係なく、自分自身をどのような存在であるかと認識していることの方が重要となります。
<精神なウェルネスを高めるためには>
人生の各段階で経験するライフイベントに対して自分なりの意味づけを行い、内なる自己と外の世界との調和を図っていきましょう。 精神のウェルネスは、自分自身で習得しなければなりません。バランスのとれた精神的な幸福を得るためには、自分の内面と対話を試みながら、自分が現実化させたいとおもう世界の形を模索していくことが重要となります。もちろん、特定の宗教を信仰することは、その作業をサポートしてくれるでしょう。
<実践すべきこと>
① あなたの内側の自己を探る
② 受け入れの練習をする
③ あなたが同意する宗教的な信仰を探す
④ 瞑想をしたり、マインドフル・リラクセーションを実践したりして時間を過ごす
まとめ
健康とウェルネスを改善することは、あなたの人生にプラスの影響を与えます。この記事が、健康とウェルネスの違いを理解するのに役立ったことを願っています。小さなことから始めて、簡単な変更を加えることで、両方を同時に改善することができます。心と体のバランスが調和されることで、あなたは輝くように生き生きとした人生を送ることができるようになるでしょう。
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