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タイプ別ひとコマ #2 「旅人」

各タイプを詳しくみていく、ひとコマ編。
今回は「テラス席から物思いに向かい通りを眺める旅人」タイプです。

このタイプは、①セックスすることに価値をあまり置いておらず、一方で②このままレスが続くのはどこか嫌だと感じている、少しアンビバレントな状況にいます。

そんな彼女(彼)の一面を、旅行日記の形でふれてみました。

(セックスレスタイプの確認はこちら。)


Day0(前夜)

10月13日 22時
山積みだった仕事をなんとか終えた。いよいよ明日から1週間の長期休暇!

休みが合わなかったパートナーにはなんか申し訳ないけど、久々のひとり旅だ。そろそろ寝支度しなければ。とはいえ一杯飲んでから。

Day1

10月14日 17時
温泉上がりの至福の一杯。落ち着いた佇まいの宿だからか、カップル客もちらほら。

一人だから気兼ねしない分、この気分を共有できないってのはもったいなくもある。

付き合って4年、自分たちもそろそろ結婚なのか。この旅で考えてみよう。

明日は街中に出て史跡めぐり。

Day2

10月15日 14時
喫茶店にて小休止、パフェで糖分補給。

パートナーは今頃ヒーヒー言いながらも仕事してるはず。自分のよき理解者であり応援してくれる存在。

同棲から1年、掃除の仕上げ具合の価値感相違?とかの些細な摩擦はあるけど、一緒にいると安心をもたらしてくれる。

セックスはしばらくしていない。半年くらい。お互い性欲が強いわけじゃないから、自然と少なくなった。お互いそれでもかまわないと思っている(はず)。

10月15日 23時
うたた寝してしまった。

「旅先で浮気しないでよ(笑)。楽しんでね。」とパートナーからのメッセージ。ないない。

なぜ人はセックスしたがるんだろう。自分は無くていい。愛情表現といったって、言葉や行動でも十分伝えられる。気持ち良さは分かるけど、ひとりですれば済む話だ。

・・・昔からこんな考え方してたんだっけ?

Day3

10月16日 19時
今日は市街地をマイペースで散策。この街は子供が挨拶してくれる。

ひんやりし始めた夕闇のテラス席が心地よさそうだったカフェに入り、まずは駆けつけビールを注文。

昨夜日記を書いた後、初体験のの相手(正しくは未遂)のことを思い出してしまった。上手くできなくて満足させられなかった。相手からの悪気の無いひと言は記憶から抹消したことにしている。

その後は経験してきたから普通にできるようになった。けど、セックスはしょせん手をつないだりのスキンシップのひとつでしかないはずだ。



”はい、ビールお待ちどうさま” 書いた文字が琥珀色に照らされる。

”旅行ですか? 大切な思い出ができるといいですね。”

”はい、ありがとうございます。”

そっか。初体験での出来事が自分のセックスの価値感をかたち作ったのかもしれない。さして重要な行為ではないのだからいいんだって。自己防衛の一種なんだろう。

この気づきをパートナーに話したらどんな言葉を返してくれるんだろう? 仕事をねぎらった後にでも持ち掛けてみることにしよう。

っと。泡が消える前にいただきます。


------終わり-------

次回は、人生の周回者タイプの一面にふれてみたいと思います。


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