岸本直樹

”書く”セックスレスカウンセリング「夜のカフェテラス」のマスター兼カウンセラー。「日本…

岸本直樹

”書く”セックスレスカウンセリング「夜のカフェテラス」のマスター兼カウンセラー。「日本のセックスレスを半分にする」ために、あたらしい形のセックスレス予防・解消サービスをつくっています。カムウィズ株式会社。https://nightcafeterrace.comwis.co.jp/

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6つのセックスレスタイプ

現代でこそ性の話題が開かれてきたとはいえ、まだまだパートナーと面と向かってセックスのことを話したり、自らのセックス・ライフに向き合う機会を私たちは中々持つことができません。また、セックスレス夫婦は6割を超えるという最近の調査結果があります。(【ジェクス】ジャパン・セックスサーベイ2024より) そんな現代のセックスレスカップルにとって、何かのきっかけ作りになればと思いオリジナルで作成したものです。 タイプの軸としたのは、いろいろあって今セックスレスなのかもしれないけど、①

    • タイプ別ひとコマ #3「人生の周回者」

      各タイプを詳しくみていく、ひとコマ編。 今回は「目を閉じて静かな夜の時間をひとり楽しむ人生の周回者」タイプです。 このタイプは、①セックスすることに価値をあまり置いておらず、また②レスのままでも問題ない・十分満たされていると感じているタイプの方です。 そんな彼女(彼)の一面を、手紙の形でふれてみました。 (セックスレスタイプの確認はこちら。) Hへ ------終わり------- 自己のセックス観やパートナーとのセックスを深掘りしてみたい場合には。 「Sexl

      • タイプ別ひとコマ #2 「旅人」

        各タイプを詳しくみていく、ひとコマ編。 今回は「テラス席から物思いに向かい通りを眺める旅人」タイプです。 このタイプは、①セックスすることに価値をあまり置いておらず、一方で②このままレスが続くのはどこか嫌だと感じている、少しアンビバレントな状況にいます。 そんな彼女(彼)の一面を、旅行日記の形でふれてみました。 (セックスレスタイプの確認はこちら。) Day0(前夜) Day1 Day2 Day3 ”はい、ビールお待ちどうさま” 書いた文字が琥珀色に照らされる

        • タイプ別ひとコマ #1 人肌恋しい常連客

          各タイプを詳しくみていく一コマ編。 今回は「途切れた会話の糸口を探す人肌恋しい常連客」タイプです。 このタイプの方は、①セックスを通じた愛情表現やつながりに価値を置き、②レスの今のままは嫌だと感じている人です。 そんな彼女(彼)と友人との夜のカフェテラスでの一コマです。 (セックスレスタイプの確認はこちら。) 常連客A ほんと久しぶり。1年ぶりくらいだね。 友人B そんな経つんだっけ? どう最近は? 元気してそうに見えるけど。 A まぁなんとかやってるよ。仕事もパ

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        6つのセックスレスタイプ

          わたしの現在地 #6(セックス・コミュニケーションを易しく)

          ここ1、2年の間に起こったことや感じたこと、今後についてを、4つの視点――「学び」「パートナー」「セックスレス事業」「仲間」で見返すことで、現在地を指し示すシリーズ、6回目。 お久しぶりです。この数回は長々と「セックスレス事業編」について書いてきました。が、今回がこのレス事業編のラストです。 もう1つの近未来のセックスレス支援セックスレス事業の目標は「日本のセックスレスを半分にする」こと。そこに近づくために今思い描いているアプローチを、近未来のセックスレス支援と勝手に呼び

          わたしの現在地 #6(セックス・コミュニケーションを易しく)

          わたしの現在地 #5(中学生時代の性的イマジネーション)

          今回はセックスレス事業編「近未来のセックスレス支援」について記したいと思います。 近未来のセックスレス支援近未来というと少々仰々しいですが、「日本のセックスレスを半分にする」という目標に対してどんなアプローチが必要かを考えています。 レスの解消と予防について 最初に、セックスレスの「解消」の観点と「予防」の観点の2つがあることに気づきます。解消と予防のどちらもが、セックスレスを減らすために必要です。解消については、正直一筋縄ではいかないと思っています。セックスレス状態が

          わたしの現在地 #5(中学生時代の性的イマジネーション)

          わたしの現在地 #4(書くセックスレスカウンセリング)

          ここ1、2年の間に起こったことや感じたこと、今後についてを、4つの視点――「学び」「パートナー」「セックスレス事業」「仲間」で見返すことで、現在地を指し示すシリーズの#4。 前回は私にとっての”仕事”である「セックスレス事業編」の前半部として、「セクシュアル・ウェルネスアプリ日本版」について書きました。 今回はその続き、直近で始めようとしている「書くセックスレスカウンセリング」を記してみることにします。 セックスレス・カウンセリングを始めるなにをするのか。端的にいうと、

          わたしの現在地 #4(書くセックスレスカウンセリング)

          わたしの現在地 #3(セクシュアル・ウェルネスアプリ日本版)

          ここ1、2年の間に起こったことや感じたこと、今後について等を、4つの視点――「学び」「パートナー」「セックスレス事業」「仲間」で見返すことで、現在地を指し示すことができたらと思います。前回の「パートナー編」はこちら。 三回目の今回は、「セックスレス事業編」です。ひと言でいうと私にとっての”仕事”です。2020年に自らのセックスレス経験をきっかけに取り組み始めて以降、もうすぐ4年が経過します。性の価値感を共有するWebサービス、性にまつわるオンライン座談会、セックスレスxオー

          わたしの現在地 #3(セクシュアル・ウェルネスアプリ日本版)

          参加レポ:セックスレス30年(セックスカウンセリング研修会)後編

          セックスレスの定義から30年。6月9日に開催された、日本性科学会主催セックス・カウンセリング研修会に参加。前半に引き続き、今回は後半の様子をまとめてみました。 1.ドイツ語圏のセックスレス最初は、日本とドイツ語圏のセックスレス研究をしているオーストリア出身のパッハー・アリスさんの講演。日本のレス現象についてのパッハーさんの著書『したいけど、めんどくさい』を一昨年読んでおり、また発刊記念対談イベントにも参加したことがあります(その際の記事はこちら)。 まず、来日10数年のは

          参加レポ:セックスレス30年(セックスカウンセリング研修会)後編

          参加レポ:セックスレス30年(セックスカウンセリング研修会)前編

          昨日6月9日に開催された、日本性科学会主催の第53回セックス・カウンセリング研修会に参加してきました。学会でセックスレスが定義されてからちょうど30年ということで、会のタイトルは「セックスレス30年」。これは行かねば、と。オンライン参加の選択肢もありましたが、カウンセリングのロールプレイや懇親会のために現地参加。会の様子をざっとまとめてみたいと思います。 セックスレスの定義から30年セックスレスという言葉を生み出した阿部輝夫さんのお話。セックスレスの定義が変わるようです。

          参加レポ:セックスレス30年(セックスカウンセリング研修会)前編

          わたしの現在地 #2(パートナー編)

          ここ1、2年の間に起こったことや感じたこと、今後について等を、4つの視点――「学び」「パートナー」「セックスレス事業」「仲間」で見返し、現在地を指し示すことができたらと思います。 2回目の今回は、「パートナー編」です。妻とのことや、前妻とのことにまつわる出来事、どう心が動いたか、その変化などについて記してみることにします。前回の「学び編」はこちら。 ある写真を目にして 2022年の冬。前妻の子供と思われる写真を目にしてしまった。私と前妻との間には子どもはいなかった。きっか

          わたしの現在地 #2(パートナー編)

          わたしの現在地 #1(学び編)

          ここ1、2年の間に起こったことや感じたこと、続いていることや今後についてを4つの視点から、いくつかピックアップしてここに残してみたいと思います。きしなおどうしてる?と思ってくれた人への近況報告になればいいですし、私自身の整理にもなればと考えています。 4つの視点は、「学び」「パートナー」「セックスレス事業」「仲間」からなります。この数年間でこれらは独立しておらず、入り混じっていると思います。例えばパートナーとの出来事がセックスレス事業に影響したりと。そんな入り交じりを、書き

          わたしの現在地 #1(学び編)

          目次-性科学を学ぶ-

          記事がたまってきたので、記事の目次(リンク)をまとめました。その前に、この「性科学を学ぶ」の一連の記事では、 イギリスの性心理療法家である、Silva Neves著「Sexology the basics」(Routledge社)をメインの参考文献にしています。 本の内容紹介ではなく、本の章立てに沿って、私自身が理解したことや考えたことを書くようにし、すなわち性科学を「学ぶ」ことを目的としています。 「Sexology the bashics」は英語表記のため、引用する

          目次-性科学を学ぶ-

          性科学を学ぶ-その9-インターセクショナリティ

          今回は、『Sexology the basics』[1] 1章-性科学とは何か?-から、『インターセクショナリティ(交差性)』を学んでいきます。 インターセクショナリティとはあまり馴染みの薄い言葉なので調べてみました。 つまり、男性だから(女性だから)うんぬん、若いから(年を重ねているから)うんぬん、というような切り口1つだけでは個人を語り切れない。そうではなく、複数の切り口(アイデンティティ)の交差する場所に、ひとり一人が居る。ということだと思います。 もう少し言うと

          性科学を学ぶ-その9-インターセクショナリティ

          性科学を学ぶ-その8-セクソロジーと障がい

          今回は、『Sexology the basics』の1章 性科学とは何か?から、『セクソロジーと障がい』を学んでいきます。 障がいをもつ人にとっての性とは私の身近には障がいと共に生きる人は現在いません。街角で障がい者を目にしたとき、その人の「障がい」(例えば視覚障害)だけにフォーカスした眼差しを向けてしまっていることは少なくありません。 ただし当然彼らも、当の障がい以外の部分は我々と同じように働くのであって、それは性の側面についてもそのはずです。例えば健常者と同じように性

          性科学を学ぶ-その8-セクソロジーと障がい

          性科学を学ぶ-その7-セックス・ポジティブ

          今回は、『Sexology the basics』の1章 性科学とは何か?から、『セックス・ポジティブ (Sex Positivity)』を学んでいきます。 ≠セックスはよいこと「セックス・ポジティブ」という言葉そのもので捉えると、セックスすることは素晴らしいとか、もっとセックスについてオープンに語ろうというように、セックスや性的なものを肯定的に捉えよう、あるいは前面に出そう、という響きで理解してしまいがちです。 しかし本文を読み進めると、こういったことを指す言葉ではない

          性科学を学ぶ-その7-セックス・ポジティブ