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morikoharu
【log.】感じられる歓びで、人は果てる。
蕩けにとろけて最高の状態で"感じて"いる時は、眠りに落ちる寸前のところに居る時だ。
だからすごく疲れている時は、気持ちよさを揺蕩って、そのまま眠りの海に落ちていってしまう。
それでいいと思っている。いや、もちろんKanaに対しては申し訳ないのだけれど──"状態"としては、そこがあるべき場所で間違いないと思う。
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生理四日目、もうイっても子宮が痛くなることはないけれど挿入はまだ出来ないから、週明けにしっかりセックスしたいな────なんて考えていた日の夜。眠る前恒例の「今日は何が幸せだった?」って会話を終えて、少しずつ体が眠りへの準備を設えていく最中、Kanaの指先が、私の肌をそっと滑り始めた。
芽生えていた眠気に、私の記憶は二つの意味で急激に落下していって、一体どこをどう触れられていたのかほとんど何も覚えていない。
性的に感じさせようとしない、指先の滑る気持ちよさ。心地良さ、って言葉の方が近いな。ポルトガル語の"Kafune"が意味するような、髪を撫で梳かれながら眠りに沈んでゆく、あの心地良さ。
けれど肌の感度がぐんと上がってゆくことで、眠りに落ちる直前に縫い止められたまま、次第に「心地良さ」と「気持ちよさ」が綯い交ぜになっていって、ただただ「感じる」だけの生き物にされてしまう。
主語もない。どこを触られているとか、分析する力なんてどこにもない。されていることの意味も意図もわからない。「私」という概念のない、感じることへの反射を繰り返すだけの存在になってしまえば、もう。
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「サポート」ってちょっとわかりづらいですが、チップとか投げ銭みたいなものです。読めてよかったな、これで珈琲でも飲んでくれよ、と思ってもらえたら、どうぞ投げてやってください( サポートの通知を見たら嬉しくて飛び跳ねています )