[ミシンの豆知識]ミシンの歴史
明けましておめでとうございます!今年もソーイングスクエアをどうぞよろしくお願いいたします🎍
2022年最初の記事は【ミシンの豆知識】ミシンの歴史をお届けします。
ミシンっていつ発明されたのかご存じでしょうか?
あまりご存じない方が多いと思います。
本日は、ミシンがいつ発明されたのか、また日本にはどのように入ってきたのか、ミシンの歴史についてお届けしたいと思います。
1.ミシンの発明
16世紀後半にイギリスのウイリアム・リーという人が、編み機を発明したのがミシンの原型だと言われています。
その後もさまざまな形でミシンの原型となるような発明はされたものの、今現在のミシンと同じような構造となったのは、19世紀に入ってからになります。
1830年代、アメリカ人のウォルター・ハントが現在とほぼ同じ構造(ミシン針の先端に穴が空いていてそこに上糸を通す)のミシンを発明しています。
このハントさんをいう方、ミシンの他にも安全ピンや万年筆などさまざまなものを発明したにもかかわらず、当時はその価値に気付かずに特許を安く売却してしまったりしたそうで、ミシンに関しても特許を取得するのが遅かったため、後に特許をめぐって複数の業者と裁判になっています。
1846年には同じくアメリカ人のエリアス・ハウが、2重縫い(本縫い・ミシン縫い)設計のミシンの特許を取得。
このミシンは
・先端に穴のある針
・布の下にボビンがあり、二重縫いが可能
・自動的に布を送る
という、今現在のミシンとほぼ同じ機能を備えていたようです。
1850年には、のちにシンガー社を設立するアイザック・メリット・シンガーが同様の構造のミシンを発明し翌年には特許をとり広く生産・販売していくこととなります。
2.日本のミシンの歴史
では、日本にミシンが入ってきたのはいつ頃でしょうか?
一番古いミシンだと言われているのは幕末。
1854年 ペリー二度目の来航時に将軍家への献上品の中にミシンがあったとされています。
そしてそのミシンを使ったのが、13代将軍徳川家定の正室、天璋院敬子ではないかとのこと。
天璋院敬子は、NHK大河ドラマにもなった篤姫のことです。みなさん一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
また1860年には遣米使節の通訳であったジョン万次郎が、アメリカからミシンを持ち帰ったとの記録もあるそうです。
ミシンが国内で普及し始めるのは明治に入ってからです。
初期の頃は、外国人による輸入が主でした。
1900年(明治33年)には、シンガー社が横浜・神戸に中央店を開設します。
・日本でのミシンの製造
1881年東京で開かれた第2回内国勧業博覧会に国産ミシン第1号が展示
製造業者は、左口鉄造という元大砲職人だそうです。
本格的な日本製ミシンの量産は大正時代に入ってから、
1921年創業のパイン裁縫機械製作所(現ジャノメ)によって始められました。
しかし当時のミシンはシンガーなどの輸入品が主流で、日本産のミシンは量や質もまだ輸入品には敵わなかったようです。
1928年には、のちのブラザー工業の創始者である、安井兄弟がミシンの製造販売を始めます。
安井兄弟はミシンの修理を専門でやっていたようですが、壊れにくい品質の良い国産ミシンを製造・販売し、大ヒットしたみたいですね。
第2次世界大戦が始まると、家庭用ミシンの製造は禁止となり、軍用ミシンのみの製作となります。
1945年の終戦後は、ミシンの需要が飛躍的に増大。
その理由としては、繊維製品(既製品)の輸出やミシンそのものも日本の重要な輸出品となったこと。
また当時の女性の嫁入り道具としての家庭用ミシンが広く普及していきました。
・国産ミシンの発展
1930(昭和5)年頃から始まった、家庭用ミシンの国産化。
1953(昭和28)年にはジグザグミシンが誕生
1961(昭和36)年には、ミシンの中にモーターが内蔵されたポータブル型電気ミシンが発売されました。以後、ミシンの軽量化・コンパクト化が研究されるようになりました。
1960年代までは、ミシンは足踏みミシンが主流でした。
今現在でも現役で足踏みミシンを使われている方もいますし、実家でおばあちゃんや母親が使っているのを見たことがあるというかたも多いのではないでしょうか。
今でも発展途上国など電気が普及していない国々では、足踏みミシンが現役で重宝されているようです。
下の写真は1956年のミシンモーターの広告。
足踏みミシンにモーターをつけて、電動ミシンにすることができるようになりました。
フットコントローラーを踏んでミシンを動かします。
1978(昭和53)年 自動糸きり機構内蔵ミシン発売
1979(昭和54)年 コンピューターミシンが発売されます
1983(昭和58)年 しゃべるミシン発売
※「押さえレバーを下げてください」など音声で対応するしゃべるミシン
1985(昭和60)年 自動糸調子機構搭載ミシン発売。
※生地の素材や厚みに最も適した糸調子をコンピューターで自動コントロールするミシン
ミシンは発明時の手回し式から、足踏み式、そして電動になり、電子化、ミシン内部にコンピューター搭載へと進化し、現在に至ります。
今現在では、ミシンの種類は用途により多岐にわたり、工業用ミシン、職業用ミシン、ロックミシン、家庭用ミシンなどがさまざまなタイプのミシンが販売されています。
家庭用ミシンの中でも、軽量なコンパクトサイズのものから、文字・模様縫いができるような多機能なもの、またキャラクターや複雑な模様まで縫うことができる刺しゅう機など数多く開発されています。
ひと昔前までは、一家に一台ミシンがあり、子供の服はお母さんの手作りという家庭も多かったですよね。
今でも洋服までは作らなくても、ズボンの裾上げや子供の入園・入学グッズ、ちょっとした小物など、やはりミシンが家庭に1台あれば何かと便利ですよね。
今回、ミシンの歴史を調べてみて、あらためて自分のミシンを見ると歴史を感じて感慨深いものがありますね~
最後に・・・
「ミシン」って言葉は英語ではないことはご存じですか?
ミシンは英語では「Sewing machine」と書きます。
この「ソーイング・マシン」の「マシン」の部分から「ミシン」になったということです😁
今日は、【ミシンの豆知識】ミシンの歴史をお届けしました。
いかがだったでしょうか?
私も記事を書くにあたり、いろいろと調べて初めて知ったこともたくさんありました。
普段使っているミシンの歴史を知ることができ、ちょっとうれしかったです。
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