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月見酒
僕はお酒にあまり好きではなく、強くない。
会社の飲み会では、誰よりも威勢よくジョッキを空け、毎回の注文のときにおかわりを頼み。
毎回誰よりも早く潰れていた。
理由は簡単、先を考えず、若気の至りでそういったアホな飲み方を学習せずに毎回してしまう。
しかし、今日はそんなアホな飲み方ではなく、気品醸しながら、悦に浸りながら、心地良く酔いたい。
なんてったって今日は満月。
キャバクラに行けば、私を見て見て!美しいでしょ?楽しいでしょ?だから懐の諭吉たちを差し出しなさい!
と言わんばかりの女性達がギラギラいるわけだが、そんなところへ行って大枚はたかなくても、大昔から人類を虜にしてきた美しいお月さんが、真っ暗な夜空の中で唯一私を見て見て!と言わんばかりにプカプカと泳いでいる。
月ってすごい。世界各国で、いろーんな名前やイメージがついている。
上弦の月、下弦の月、新月、満月、ブルームーン、ブラッドムーン、スーパームーン、狼男、狂気の象徴。月のクレーターがウサギが餅をついている、老女が読書をしている、ワニ、カニ、ライオン、ロバなどに見えるなどと表現されたりする。
昔から数多の人を魅了してきた何よりの証拠だ。
日本に生まれた人は美的感覚が鋭いので、色んな情緒溢れる名称が付いている。
逆にヨーロッパだと、冷酷で不吉なイメージ。
さて、ほろ酔いの今の自分にはどのように感じ、何を思うのだろうか。
早速発泡酒と、酒の肴をこしらえて一人しっぽりとお月見しよう。