ほこりほこり
ええ、そうそう、わたしはほこりです。詳しく言えば、布団の中の羽毛の一部です。
ほこりの中にもほこりを持ったほこりもいますよ。
ほら、あちらに見えるのはプラダ製のほこりです、それで、そちらのほこりはルイヴィトン製のほこりです。
そして、ほらほら、あなたの肩に乗っているほこりはエルメス製のほこりです。
おっ?これはこれは、大変珍しい、そちらの方のズボンの裾に着いているのはフェラーリ製のほこりですね。
随分とほこらしげでしょ。
漢字で書いてくれなきゃ、誇りなのか埃なのか分からないって?
お言葉ですが、そもそも埃が積み重なるとは歴史があるということであり、歴史があるから誇りになるんですよ?
それはつまり同じという事じゃないでしょうか。
因みに私にも、ほこれる点はありますよ。
私は大切に大切に保管されています。確実にあと3年間位は大切に保管され続けるでしょう。
ほら、その証拠にあなたのスマホと液晶フィルムの間に大切そうにフィルムしてくれてるじゃないですか。わざわざ目に見えるところに。
私も数知れないほこりの一つですが、私は私をほこりに思います。
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