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恣意的

先日、管理部門でヘッドを担当する方々と会食をしました。

まぁ、各社内部で様々な課題を抱え、さらに監督当局や関係団体のレギュレーションとリクエスト、さらには社会的要請などへの対応もあり、ご苦労されている様です。

おまけに親会社などがあると、そちらからの関与も汲むなど、本当に大変だなぁなどと感じました。
 
その中で、ある方が企業風土について話されていました。

その方によれば、ある社内資料に“間違い”があったと資料作成部署ではなく、関連部署のヘッドから伺ったそうです。

具体的な事は記載できませんでので、仮に作成された資料の結論(AがBより優位である)が間違いであったと、正確にはAとBは同程度との結論(小数点以下を比較するとAがBより若干の劣後)だったそうです。

間違いが生じた理由はABの過去の数値データに不完全な箇所があり、誤った結果が算出されたと言う事の様です。
 
当初、本件について作成部署からの説明は“誤字”があったとの報告だったそうです。
ただ、内容をみれば“誤字”ではなく“間違い”ではないかと指摘したところ、“誤記載”だったと報告されたそうです。
 
“誤記載”って何?と思いますが、誤記載とは「意図しない誤り」となりますので、そもそもの資料作成段階でのミスによる意図しない誤りを記載したと言う事で、決して故意ではない事から、“誤記載”という事になったようです。

さらに、誤った結論について、その評価期間を延長するなどすれば、当初の結論と同じになる可能性があるとして、再度の資料作成を行いたいとの報告があったそうですが、それは”恣意的”になるので、作業を中止させたそうです。

その方は、企業が大きくなってきて、企業風土の風化を感じるし、ある意味で部門間の争いがあり、”隠蔽体質”が生まれている危機を感じるともおっしゃってました。
 
 
本件については、資産運用に関わる事例ではありませんし、社内資料と言う事で対外的なモノではないので、特段の大きな問題ではないと言う事のようです。
 
ただ、ワタシの関わる資産運用においては、誤った数値等の公表は、投資者の投資判断に大きな影響を及ぼすことになりますので、ある意味では事故として当局等へ届出や、投資者への補てん等が必要となる場合もあります。
 
ましてや、資料作成において恣意的に数値等を作成することになれば、これも大きな懸念事項となるかと思います。
 
本日は、ここまで。お付き合いいただき、有難うございました。

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