労働時間
「法定労働時間」と言うのがあります。
現在の法定労働時間は、<1日8時間・週40時間>と言う上限を指しています。
当社もですが、それぞれの企業は就業規則で所定労働時間を定める際には、この法定労働時間以内に収める義務があります。
ちなみに、日本が法律で1日8時間労働を初めて定めたのは労基法をつくった1947年のことだそうです。
当時は週6日勤務が前提で、週間の労働時間は48時間。週休2日制の定着にあわせて週間労働時間は現在の週40時間に短縮されましたが、1日8時間の規定は77年間変わっていないとの事です。
では、世界の労働時間はどうでしょうか?
当然ながら法定労働時間の仕組みは国によって様々ですが、例えば米国は日本と同じ週40時間としています。
一方、フランスは日本より短い週35時間。ドイツでは「1日8時間を超えてはならない」としています。英国は残業時間を含め週48時間に定めています。
日本においても、法定労働時間については議論が進んでいます。
例えば、働き方改革など労働者の生活スタイルも変化し、育児・介護などと仕事を両立させるためには法定労働時間を短くする必要があるのではないか、特に時短勤務を選択している様な方にとっては、フルタイム勤務者と比較して給与が少なくなる状況を是正するには、そもそもの法定労働時間を短くすれば時短勤務者とフルタイム勤務者との待遇格差縮小の可能性があるのではないかという考え方です。
また、反対に法定労働時間を引き上げてもいいのではないかと言う考え方もあります。
これは、労使間で結ぶ「36協定」で残業が当たり前になり、法定労働時間が守られていないのなら、むしろ法定労働時間を延ばしたうえで残業を強く規制するべきではないのか、という英国の発想に近いものかも知れません。
既に、物流の2024年問題など、人手不足が顕著になっている中で、どのように労働者の安全と生活を守りつつ、経済発展をしていくのか、少子化だけでなく、様々な課題がある中で、ワタシ達の叡智が試されているのかも知れませんね。
この投稿は、日本経済新聞「1日8時間労働、長いか短いか 77年間変わらぬルール」を参考にしています。
ちなみに、取締役は労働者ではありませんので、法定労働時間といった概念がありません。
勤務開始時間も終業時間も、休日の概念も、勤務場所も、取締役の判断となります。
もちろん企業によっては、「役員規則」などで定めている場合もありますが、ある意味で、365日24時間態勢で経営に携わる立場となっています。
てことは、全員が取締役になれば、法定労働時間など気にせずに業務に従事できそうですが(冗)
本日は、ここまで。お付き合いいただき、有難うございました。