カシオ計算機 バイオレーター
noteの最近の記事に、カシオ計算機の子供用電子手帳が取り上げられていましたが、カシオ計算機の製品で「バイオレーター」と名前が付けられた商品が有ったのをを覚えてらっしゃいますか。
人間の体は「バイオリズム」という身体(Physical)、感情(Sensitivity)、知性(Intellectual)の3種類の波で、頭文字 P,・S,・I の各リズムに影響されているという理論が展開された時期がありました。バイオリズムは、誕生日を基準とする異なる周期のサインカーブとして表され、身体リズムは23日、感情リズムは28日、知性リズムは33日の周期をもつとされています。
これを計算するのは、意外に面倒なのですが、カシオ計算機はその計算式をプログラムとして埋め込んだ手の平型の製品を発表しました。
今でいう簡単なゲーム機に近い存在です。
実際のところ、どの程度の科学的なバックボーンがあったのか分かりませんが、手軽に自分のバイオリズムが計算できるので、かなり評判となった機種です。バイオリズムが完全に一巡する期間は、23と28と33の最小公倍数は21252であり、にはおよそ58.2年です。
バイオリズムの研究者として、田多井吉之助という名前も、当時はセットで覚えられていたくらい、バイオリズムは一時期ブームになりました。確か、日本バイオリズム研究所という組織も存在したはずです。
P型・S型・I型・PS型・PI型・SI型・PSI型と、どの波に強く支配されているかで、個人個人の性格が変わってくるなんて言うことまで、当時は女性週刊誌で盛んに取り上げられていました、所詮、女性週刊誌の記事ですから、表層のさらに上澄みをサラッと取り上げて、「今、これを知らないあなたは、損をしている。」くらいの記事が結構長い間、誌面を埋めていたものです。
今のように何でもかんでもネットで調べられる時代ではありませんでしたから、少しバイオリズムについて知識がある人は、「居酒屋で注目される存在」レベルのブームではありました。
一種、星占い的な感じでしたね。
今でもネット上には、バイオレーターは数多くオークションに出品されていますが、何を今更!感は有ります。今は、宴会芸では通用しなくなるほど、「バイオリズム」という言葉そのものが、大衆の記憶には残っていません。
でも、時代が復古ブームに湧いたりするときが来れば、また、話題になる可能性を持った「バイオレーター」ですので、好事家であれば、今のうちに入手しておくのもいいかもしれませんね。