虎落笛

さあ、これは何と読むのでしょうか。
ヒントは、風です。なんてもったいぶるのはやめましょう。
答えは「もがりぶえ」です。知らなければ絶対に読めない熟語の一つです。

漢字検定の一級くらいになると、このような難読漢字がゴロゴロ出題されます。ネットに載っている記事では、虎落と言うのは竹を切って並べた柵なんて書かれています。その柵に強い風が当たると笛のような音を発するので、こういった名称になったというのが一番多いようですが、実は、この説はあまりあてになりません。

むしろ、送電線が強風に晒されると、微妙に細かく震える音を出します。かなり低い音で、よく「電線が唸る。」なんて言っていますが、この時の音も虎落笛と言うのだそうです。
で、おまけのように書いてあった説明が目を惹きました。

電線のような細い線に猛烈な風が吹きつけると、その線の後ろに不規則に渦が出来ます。この渦のことをカルマン渦と言い、このカルマン渦によってたった音をエオルス音と言うのだそうです。ちなみに巨大な旅客機が飛んだあとは、主翼から発生したカルマン渦があまりに強力なために、小型機は接近することを禁じられています。空中分解させるほどのエネルギーが有るんですね。

これと同じような説明として、「チンダル現象」が有ります。これは、多少濁った液体に光を通すと、光の筋が光って見える現象のことを指しています。では、なぜ光って見えるのかを考えた人がいます。その回答がブラウン博士です。博士は、物質は絶対零度以外の温度帯では、動き回る現象がみられることを発表しました。これがブラウン運動でした。微細な粒子が動き回ることで,光を反射するのです。

このように、現象についてしっかりとした説明が付いていれば、化学の授業はもっと面白かったはずなんです。
高校の時、爆薬に異常な興味を示した生徒Aは、ついに爆薬を完成させたと思い込みました。そして、あろうことか、石炭ストーブの蓋に乗せました。
爆薬もどきは、激しい発煙を起こしました。たちまち教室は白い煙が充満してしまいました。

これなどは、生徒Aに対して、正確な知識を与えてこなかった教師にも問題があります。何しろ、つまらないんですね、その授業は。
面白い授業をできる先生と、つまらない授業しかできない先生との違いについて、どなたか論文を書きませんか。


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