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ラーメンの湯切り

ラーメン屋の師匠なんて言う存在が、やたらクローズアップされた時が有りましたが、そんな「師匠」であっても、意外に身についていない技が有ります。最近のラーメン屋の麺の茹で方は、「てぼ」と言われる深いざるに麺を入れててぼが5~6個は入りそうな鍋に入れます。ざるの中で箸でほぐして、ゆで頃を見計らって、てぼを引き上げ、思いっ切り湯を切る動作を数度行って、つゆの入ったどんぶりに麺を流し込むスタイルばかりになってしまいました。

これって、昔の職人が見たら嘆きます。
昔はたっぷりのお湯をぐつぐつ煮立たせ、そこに麺を投入してお湯に泳がせます。頃合いを見計らって、平型の丸いざるに麺をすくい上げて、ざるの上で麺を躍らせながら、湯を切りつつ麺をまとめるという職人技を、どこの店でもやっていて、「へ~。」という感じで子供は見入っていたものです。

それが、いつの間にか「てぼ」ばかりになってしまい、情緒が無くなってしまいました。これは、何々系と呼ばれるような弟子入り関係が目立つようになってからの変化です。
そんな中、中央線三鷹駅南口至近の「ラーメン えぐち」の店主のざるで行う湯切りは、見ている方がうっとりするほどの熟練の技を見せてくれていました。この店は、15年ほど前に店主が他界してしまい今はもうありません。ここのスタッフだった方が、「中華そば みたか」を再興したということですが、確認はしていません。
でも、あのざるの湯切りが復活していたら、ぜひ行ってみたいものです。

この「えぐち」に足しげく通っていたころは、会社の帰りに小腹を満たす感覚でした。体も代謝が激しい頃だったので、夜食をそのあと普通に食べても少しも太りませんでした。
しかし、年齢が上がるにつれて、食欲そのものは全く落ちず、夜食も普通に食べていましたら、なんと、体重の増加より先に、体系が丸みを帯びてきてしまいました。ラーメンそのものは、カロリーが高いですから、体重も周回遅れ的ではありますが、だんだんと針がピーンと振れてしまうようになってしまいました。

ラーメン屋をはしごしたなんて言うのは、若いときのホンノ一時の快楽だったことに後から気が付きましたが、すでに、肥満体に。あぁ!

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