春分とお彼岸~二十四節気と天文学
春分から、始めてみようと思い立ち、二十四節気と天文学というシリーズを始めてみます。
なんで二十四節気と天文学を組み合わせるか?
それはどちらも、自然界のリズムやルールを見に見える形で教えてくれる古代からの知恵だから。
二十四節気って聞いたことはあるかもしれないけれども、ナニそれ?的な人でもサラッと読んでみていただければ、話のネタにはなるかと思います。
二十四節気そのものについては、追々まとめ記事を書くかもしれません。
星占いは春分点から始まる
「今日の占い、カウントダウン~♪」
占いなんて信用しない。信じるもんか。あてにならない。
そういう人でも、街角で耳に入ってきたり、たまたま開いた雑誌のページだったりしたら、ついつい気になるのが『星占い』というモノ。
これから新生活などで話題の一つとして出てくる
「何月生まれ?」「何座?」
これ、実は、春分から始まったって知ったらいかがでしょうか?
私たちがよく「星占い」って呼んでるのは、西洋占星術と呼ばれる5千年以上前からある、天文学と統計学を組み合わせたリベラルアーツ、ざっくりいうと判断基準の一つです。
12星座は太陽の通り道
西洋占星術は、黄道12星座と呼ばれる12個の星座を使い、社会や個人の状況を読み解く判断基準として、少なくとも5千年前には今も使われている仕組みや考え方が出来ていたとも研究されています。
おひつじ座から始まって、
おうし
ふたご
かに
しし
おとめ
てんびん
さそり
いて
やぎ
みずがめ
うお座で終わる、全部で12星座
私たちがよく相性占いなどで「あの人は何座?」と調べるのは、占星術用語での太陽星座です。
その人が生まれたとき、地球から宇宙を見渡した360度のどこに太陽がいたか。
それが、太陽星座です。
太陽の通り道、黄道
地球からみて太陽が通る道。
それを、黄色い道、黄道と呼びます。
黄道12星座というのは、地球から太陽をずーっと一年間観察したときに、太陽が通り過ぎていく方向にある星座のこと。
古いものだと、こんなのも検索で出てきました。
エジプトのデンデラ・ハトホル神殿で発見された天体図は、現在の西洋占星術で使用される黄道12星座図の元になったとも考えられているそうです。ちなみに、ハトホル神殿はクレオパトラ女王の時代に建設されたそうで、約
2100年前。
2000年以上前から研究されている学問、それが占星術という世界だったりします。
春分点ってドコですか?
でね、あるんですよ、春分点というポイントが。
なんで、12星座がおひつじ座からはじまるか。
ここと、春分点がめっちゃ大事なんですよ、西洋占星術では。
春分点は宇宙にある
春分点っていうのは、宇宙にあります。
正しくは、地球から見た太陽の通り道、黄道の上に。
ウィキペディアにはこう書かれています。
だいたい、春分点を太陽が通過するときは、おひつじ座の上。
これは、天文学でいう歳差運動と呼ばれる話になるので、
今回は、ザックリとしか書きません。
なので、春分点はおひつじ座0度とも表記されます。
ついでに言うと、春分と秋分は、太陽が真東から昇り、真西に沈みます。
太陽の復活を祝う風習
春分は、太陽の復活祭でもあります。
これも、春分や秋分の時に、天文学的に何が起きているかが、重要なポイント。
春分と秋分は、equinox と英語やフランス語では表記します。
細かく言うと、
vernal equinox = 春分
autumnal equinox = 秋分
この equinox 、元はラテン語の2つの単語から生まれた言葉。
昼と夜が等しい。
つまり、昼の時間と夜の時間が12時間づつ半分半分になる日。
そして、長く暗く冷たい冬が終わる春分は、太陽の季節が再び帰ってきたともいえる日。
太陽の温かさを取り戻す。
そのことを昔の人が祝うようになったのは、当たり前ですよね。
だから、キリスト教の復活祭であるイースターも、この春分の時期だったりします。
「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」に祝われる。
これも、キリスト教の裏側に太陽信仰が隠されているひとつです。
陰と陽が等しくなる彼岸
お彼岸にすること、お墓参りですね。
彼岸とは、「この世とあの世のさかいめ」
つまり、お盆と同じで、亡くなった人と交流が出来るという発想が、中国や日本ではあります。
冬至が陰の極み。
陰が極まって、陽に転ずる。
これが、東洋占星術のベースである陰陽太極図の意味です。
冬至点を過ぎたら、一陽来復。
立春は寅の刻で、丑三つ時。
春分は、日の出時刻。
陰と陽が等しくなる日。
だから、昔の人は
この世=陽
あの世=陰
という視点で、お彼岸に亡くなった人を偲ぶようになったのかもしれません。
お彼岸と言えば
ちなみに、お彼岸と言えば「はんごろし」
物騒な呼び方ですが、おはぎのことです。
もち米を軽くつぶすから、はんごろし、らしいと聞いたことがあります。
春はぼたもち、秋がおはぎ。
そんなことも聞いたことがあります。
小豆は、陽の気を高めてくれるとされ、
冷えを取る食材として、薬膳では使われます。
春分に何を始める?
天文学的にも、春分は「始まり」。
日本では、新年度を春からはじめますが、これも春分にあやかった区切りかもしれません。
梅に始まり、桃、菜の花、桜と、冬枯れの野山が花で明るく色づく。
この風景が、
春は新しい季節
というイメージを強くしてくれるように感じます。
グレゴリオ暦、つまり、普段使うカレンダーでは、もう三月末ですが、
西洋占星術的や天文学的には、太陽がスタートラインに戻る季節。
なにか一つ、春分のうちに始めてみるのも、よいんじゃないでしょうか。
ということで、私は今回、この二十四節気と天文学という切り口で記事を続けてみようと思います。
まとめ
春分って、なんだろう。
そんな人には、ちょっと膨大な情報量だったかもしれませんが、
地球が太陽の周りをぐるっと1年かけてまわったタイミング
昼と夜が半分半分の12時間
星占いは古代エジプトからある
おはぎ=はんごろし
陰陽太極図は季節や一日の図解だった
そんなことをお届けしました。
人間は、どんだけ化学や科学が発展しても、太陽から離れて生き延びていくことはできない。
何故なら、人間自体が宇宙の縮図だからです。
私が常に感じている、生命や人体の本質をお伝えするのにも、
二十四節気と太陽系や銀河系の星の動きは便利だなと思うし、
宇宙の流れを知ることが、21世紀の生き方の軸になる。
その視点から、また、あれこれ書き綴ってみます。
最後までお目通しくださり、ありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?