なぜクロモリフレームを選んだのか
先日投稿したとおり、私はクロモリフレームをフルオーダーしました。
現在のロードバイクのフレーム事情を考えると素材に関して言えば
カーボン:7 アルミ:2 その他:1
くらいの販売バランスなのではないかと個人的には思っています。
それこそ2台目、3台目と購入するならばハイエンドカーボンフレームを選択するのが一般的でしょう。
では、「なぜ私はクロモリフレームを選んだのか」以前のフレーム変遷の記事と被る部分もありますが、もう少し深堀りしてみたいと思います。
・はじめてのロードバイク
私のはじめてのロードバイクは「安価で買えるカーボンだから」という理由でFelt F5(カーボンフレーム)を購入しました。
ロードバイクに乗ること自体がはじめてなので、”カーボンの良さ”もまったくわかりません(苦笑)
2台目はトライアスロンをやっていたこともありエアロを追求したKuota Kult(カーボンフレーム)を購入しました。
1台目と比較して剛性がやや下がり直進安定性が増した感がありました。
・憧れのColnago
Kuota Kultは長い期間乗っていましたが、その間ずっと憧れていたのがColnagoです。
昔ながらの無骨なシルエットと、高剛性な乗り心地。
当時は新城幸也選手がColnago C59で大活躍している時期なのも相まってかなり強い憧れとなっていました。
そして、結婚を機に購入したのがColnago V1-rです。
Cシリーズよりも軽くて乗りやすいのが売りになっていましたが、その通りで非常に軽やかかつ剛性も高いパリっとした乗り心地で、長期に渡りメインバイクとして乗ることになりました。
・クロモリフレームとの出会い
神楽坂つむりさんがクロモリのロードバイクに乗っていることでクロモリロードバイクに興味がわき、比較的安価で購入できたOneByEsu JFF#501を購入しました。
感想としては「フレームが重い」、「坂で後ろに引っ張られる感じがする」などネガティブな印象が大きかったように思います。
ローラー専用機として使うことにしてあっさりサブ扱いへとなってしまいました。
・BMC SLR01との出会い
その後も懲りずにラグドフレームの憧れからColnago C50を中古で購入して乗ったりしていましたが、走っていてある違和感を覚え始めました。
フレームが硬い…
Colnagoはそういうコンセプトなので当たり前なのですが笑
特にC50に乗ってからはフレームの硬さに脚が完全に負けてしまっている感触を覚えるようになりました。
そして細身のC50を乗っているときに、「ダウンチューブが太い方が好みなのかもしれない」という謎の発想が出てきて、
ダウンチューブが太い=BMC
というイメージからまたもや中古でBMC SLR01を購入しました。
購入当初は「結局V1-rに戻ることになるだろう」と思って跨っていましたが、筋肉質な踏み心地と振動吸収性の高さから1日にして完全にメインバイクの座を奪い取ってしまいました。
当初の「ダウンチューブが太い方が好み」というのは全く感じなかったものの(笑)
適度な剛性感がとても心地良く、ここまで乗り心地が良いのは本当に嬉しい誤算でした。
ここではっきりしたことは、「私は剛性が高いフレームが苦手」だということです。
・クロモリフレームへの回帰
それから長い年月、ずっとBMC SLR01に乗り続けました。
これまで沢山のフレームを乗り継いできて、最高のフレームと出会ってしまったという達成感が強く、さらに最近は業界自体が剛性を高める方向に進んでいることもあり、新しいフレームに食指が動かなかったというのが実情です。
Colnago V1-rも知人に譲り、自分の手元にはBMC SLR01と行き場を失ったOneByEsu JFF#501のみが残っている状態となっていました。
BMC SLR01はずっと楕円チェーンリングで運用していたこともあって、新円のチェーンリングのJFF#501には跨ることがなくなってしまっていましたが、ある機会をきっかけにBMC SLR01を新円のチェーンリングに戻すことになりました。
せっかく新円に戻したのだからと、乗らずに放置していたJFF#501も乗れる状態にしようと思い立ち、メンテナンスを施しいざJFF#501に乗ってみたところ以前は感じなかった良さに気づくことになります。
それはBMC SLR01よりさらに剛性が低いというところです。
剛性の低いJFF501に乗った結果、向かい風で強く踏み続けても脚が持つようになりました。
その結果、普段走っているコースでのベストタイムをあっさり更新することになりました。
しかも、2回続けて…
当初感じていた「踏み始めが重い」というネガは今も変わらずありますが、坂道に関してはちょっとした坂なら慣性の力で登ってくれる感触があります。
さらに私は住まいが関東平野なので、ヒルクライムに行くことは稀です。
はっきり言ってしまえば、平坦がより速く楽に走れるフレームこそ私が求めるフレームなのです。
「平坦を速く」となれば普通はカーボンのエアロフレームになるでしょう。
でも私にとっては空気抵抗が優位でも剛性が強ければマイナスになってしまうと考えています。
唯でさえ剛性の低めなBMC SLR01(2012年モデル)でも私の脚には硬いくらいなのですから。
・まとめ
まとめを始める前に私のパワーを紹介しますと
FTPは245WでPWRは3.6程度です。
一般的に並脚程度の脚力だと思っています。
これでも最近真面目に鍛えた結果上がってきた方で、今回の話題の主役であるクロモリフレームJFF#501にはじめて跨ったときはFTP210W程度だったのではないかと思います。
今となって思えば210Wから245Wへ上がったことで、今まで気づけなかった良さに気づくことができたのかもしれないと思っています。
そして改めて思うことは、「乗り手のパワーに合わせてフレームを考える必要があるのではないか」という事です。
極端な例を出せば、トッププロチームに機材を供給しているようなメーカーのフラグシップモデルは言うまでもなくプロ向けに作られたものです。
それは言い方を換えれば「プロのパワーに合わせて作られている」と言えるのではないでしょうか。
実際に、私のパワーではColnagoのフレームの良さはまったく引き出せていなかったのだと思っています。
以前Ridley Noah Fastに乗り換えたFTP300Wを誇る友人から話を聞いたときに「平坦は最高だけど山は本当に登らない。まるで鉄板を踏みつけているよう。」、「脚力に応じてだけどセカンドグレードぐらいの方が乗りやすいのかもしれない」と言っていました。
まさに私はそれに該当するパターンで、現在主流となっている高剛性のフレームでは力が発揮できないのでしょう。
そして、そんな私のために用意されたフレーム。
それこそがフルオーダーすることにより、剛性を変えることができるクロモリフレームだったのです。
長くなりましたが、以上がフルオーダーのクロモリフレームを選んだ理由となります。
正直私くらいのパワー帯の方は結構多いのではないかと感じていて、そんな方には是非一度食わず嫌いせずクロモリフレームにも跨ってみて欲しいなと思っています。
この記事を読んで頂いた方が、クロモリに限らず良いフレームと出会えることを願いつつ、この記事を終わりにしようと思います。
では、また!