行って来いで元の位置
「タイムマシン経営」これは孫正義氏が言い始めた言葉ではないのですが、孫さんを語る時に出てくる言葉じゃないかなと思います。
ざっとタイムマシン経営についてこの記事に書いてあることを引用すると、
「タイムマシン経営」とは、海外で成功したビジネスモデルやサービスを日本でいち早く展開する経営手法のこと。
とあります。
ポイントは日本でいち早くという部分ですね。これは、その昔はとてもアドバンテージが高いものだったことは確かです。つまり情報取得のスピードが速い方がアドバンテージがあるというものです。
あちらの国ではもうすでに普通になっているけど、
まだこちらの国では知る人が少ないから先行者じゃないけど先行者利益を獲得できる
この「知る人が少ない」という部分が、まだそこまでインターネットが普及していなかった時代においては、本当に少なかったんだと思います。
そして、もし「知ってる人」がいたとしても別にそういう人たちが声をあげるわけでもなく先行者利益万歳な状況だったと言えます。
ところが昨今、インターネット、とりわけSNSの普及によってそのタイムマシンが格好の餌食になりやすい時代になってきました。
タイムマシン経営により「未来」を引っ張ってきたようなアピールをしても、同じコミュニティや同じ情報ソースを持った人たちから「先行者面(づら)」と思われてしまうのです。
先日行われた、オリンピックの開会式のドローン演出に対しての各方面からの感動の濃淡がそれを物語っているように感じます。
「未来を見たことのある人」がインターネットにより増加し、発信力をもってしまったことによって、自分じゃない誰かが語る未来に対して「それ未来じゃねーじゃん、俺も知ってるもん」という。
過去タイムマシンで未来を見に行ったことが、現在それほどのアドバンテージがない・・ってことが言えます。
そんな中、こちらの記事のように「逆タイムマシン経営論」なるものがあるようです。みんな本当にいろんなことを考える。
「逆・タイムマシン経営論」は、「過去」に遡る。過去の新聞や雑誌の記事を振り返ることで、いつの時代も変わらないマネジメントの本質を炙り出すのが、逆・タイムマシン経営論の狙いだという。
なるほど、本質をあぶり出すということのようです。
なんとなく、こんなイメージですかね。
タイムマシン経営は見たことないであろう花や葉を。
逆タイムマシン経営は太い根っこを。
どっちがいいってわけじゃないですね。どっちも大事。
未来を見るタイムマシンと過去を見る逆タイムマシン。
行って来いで元の位置。
やはり大切なのは「今」ってことですな。