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【News:速報=最高賞パルムドールはフランスの女性監督映画『チタン』、濱口竜介監督らに日本映画史上初の脚本賞、第74回カンヌ国際映画祭(2021)】*現地からの速報写真満載!

 フランス南部の避暑地カンヌで開催されていた第74回カンヌ国際映画祭の授賞式がフランス時間7月17日(日本時間18日未明)に行われ、最高賞にあたるパルムドールには幼少時に頭にチタンを埋め込まれた女性の過激で繊細な人生を描いたフランスのジュリア・デュクルノー(Julia Ducournau)監督の『チタン』が選ばれた。パルムドームを受けた女性監督は『ピアノ・レッスン』のジェーン・カンピオン監督以来、28年ぶり2人目だという。受賞スピーチでデュクルノー監督は「どんな状況であれ、自由であることは決して簡単なことではありません。自由は決して与えられません。それは毎日の闘争です」と力を込めた。
 また、監督賞には『Annette(原題)』を出品したフランスの鬼才、レオス・カラックス(Leos Carax)監督が選ばれた。

 さらに、当ブログでは既報だが、村上春樹の短編映画を映画化しコンペティション部門に正式出品されていた日本の濱口竜介(Ryusuke Hamaguchi)監督作品『ドライブ・マイ・カー(Drive My Car)』(8月20日日本公開予定)で共同脚本を担当した濱口監督と脚本家で映画監督の大江崇允(たかまさ)が脚本賞を受賞している。カンヌ国際映画祭での脚本賞受賞は日本映画では史上初めて。

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★受賞スピーチで感極まるジュリア・デュクルノー監督=gettyimages

★授賞式後のフォトセッションでようやく笑顔を見せたジュリア・デュクルノー監督=gettyimages

★記者会見でマリオン・コティヤール(右)とともに語るレオス・カラックス監督=gettyimages

 長編コンペティション部門には濱口監督の『ドライブ・マイ・カー』やジュリア・デュクルノー監督の『チタン』、レオス・カラックス(Leos Carax)監督の『Annette』のほか、ウェス・アンダーソン(Wes Anderson)監督の『The French Dispatch』、ポール・ヴァーホーヴェン(Paul Verhoeven)監督の『Benedetta』、俳優のショーン・ペン(Sean Penn)が監督・主演を務める『Flag Day』、ナンニ・モレッティ(Nanni Moretti)監督の『Tre Piani』、ジャック・オーディアール(Jacques Audiard)監督の『Les Olympiades』などが選出されていた。
 オープニング作品として、カラックス監督のミュージカル映画『ANNETTE』が上映された。
 また、実績ある監督の新作を集めて上映する新部門「カンヌ・プルミエール」で、細田守監督の新作アニメ『竜とそばかすの姫』(7月16日から日本公開中)も上映され、14分間というパルムドール並みのスタンディングオベーションを受けた。


 審査員長は米国のスパイク・リー監督が務めたが、授賞式で、下位の賞から発表していく段取りになっていたにもかかわらず、何を勘違いしたのか、いきなり「パルムドールは『チタン』」と言ってしまうハプニングもあった。場内は大爆笑、リー監督は呆然となるシーンが世界中に流れた。

 主な賞の受賞結果は以下の通り。

🔶パルムドール
『TITANE』(ジュリア・デュクルノー監督)
🔶グランプリ
『ある英雄(英題A Hero)』(アスガー・ファルハディ監督)
🔶グランプリ
『コンパートメント6号(原題Hytti Nro 6)』(ユホ・クオスマネン監督)
🔶監督賞
レオス・カラックス(『アネット』)
🔶女優賞
レナーテ・レインスヴェ(『世界最悪の人(The Worst Person in the World)』)
🔶男優賞
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ(『Nitram] )
🔶脚本賞
濱口竜介、大江崇充(『ドライブ・マイ・カー』)
🔶審査員賞
『メモリア(Memoria)』(アピチャッポン・ウィーラセタクン監督)
🔶審査員賞
『Ahed's Knee』(ナダブ・ラピド監督)

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