AI💻とスイカ🍉とセブン銀行

こんにちは、セブン銀行コーポレート・トランスフォーメーション部（CX部）の大村です。

コーポレート・トランスフォーメーション部ってなかなか聞きなれない言葉ですよね。私たちは、収益向上や抜本的な業務改善を目標として、数多くのデータ分析、AI活用に取り組んでいます。そのために世の中に出ている新しい技術や仕組みなどの情報を日々集め、社内展開する前に実証実験などを行っている部門です。

CXはコーポレート・トランスフォーメーションの略です

例えば、キャッシュレス決済をどのような属性の方が使っているかの分析、利用件数が多いATMの設置場所を予測するAIの運用、様々な業務効率化AIの開発及び導入に向けたPoCを行なっています。2023年9月にリリースした【ATMお知らせ】や【ATM窓口】など、ATMに新しい機能を追加していくためのプロジェクトメンバーとしても、もちろん参加しています。

セブン銀行ATMは入出金以外も色々な機能があるんです！

また世の中に出てきた新技術やツールなどをわかりやすく社内に共有したり、その技術を各部で活かす方法を部門と一緒に相談することも私たちの活動の一つになっています。

これからこのコラムでは、定期的にデータ分析やAIに関する知識を、分かりやすく皆さまにお届けできればと思います！

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今回の記事では、
"そもそもAIの学習とは、どういう仕組なのか？"
”セブン銀行では、どのように活用しているか？”
についてお話しします。

AIの学習プロセスはどういう仕組みなのか？

AIは、企業や研究機関で多くのデータを使って学習し、その学習したAIが世の中に出て、様々な問題解決に役立てられています。例えば、道路標識について学んだAIが、自動運転に応用される、などですね。

この学習というプロセスは、少し専門的な言葉を使うと、以下の様な段階に分けられます（ちょっと難しい言葉が出てきますが、少しだけ我慢してください）。

1.  "特徴量"をAIに入力する

2.  AIはこの"特徴量"を持つターゲットが "何であるか?" または "これからどうなるか?" を予測する 

3.  AIは自分の予測と実際の答えを照らし合わせて、AIの中のパラメータを調整する

4.  ある程度の正答率になったレベルのAIが、本番環境などで利用される

初めて触れる専門的な話にも聞こえますが、こういったプロセスは、実は私たち人間もほぼ毎日行なっています。

人とAIの学習プロセスの違いって？

この難しい話を理解するために、AIや回帰方程式の仕組みの説明として有名な、スイカの例を上げましょう。少し季節外れになってしまいますが（笑）

例えばスイカをスーパーで買うとき、家族や友達のために出来るだけ甘いものを選びたいですが、試食はできません🍉

どのスイカが甘いでしょうか？？

そういうときに、みなさんはどうされますか？叩いた音を聞いてみる、などよく聞きますよね。

1.  硬さ、重さ、音、縞模様などをチェックする

2.  "このスイカは甘い"と予測する

3.  実際に食べてみて、(1)と甘さの"関係"について考察する

   1.  硬い方が: 甘い or 苦い

   2.  重い方が: 甘い or 苦い

   3.  …

(1-3)のプロセスを何年も繰り返せば、きっとその人はスイカが甘いかどうかを、見た目や手触りからでも当てられるはずです。
そして私たちが行なっているこの(1-3)は、AIの学習プロセスとほとんど同じなのです。AIというと何かすごい特別な機能があるようなイメージがありますが、やっていることは実は私たちと同じで、そのプロセスが高速にできる、という点が違いになるわけですね。

セブン銀行のAI活用: 入出金額予測AI@フィリピン

最後に、当社のAI活用事例での学習プロセスも見てみましょう。

ATMには現金の入った金庫が入っているのですが、金庫の中の現金が無くなるとお金が出せなくなるので出金ができなくなり、一杯になるとそれ以上お金が入らないので入金が出来なくなってしまいます。

少なすぎても、多すぎてもだめなのが難しいところなのです・・・

そのため金庫の中のお金の量が｢いつ、どれくらいになるのか｣｢いつ補充が必要になるのか｣の予測が非常に重要になります。ですが、ATMの設置場所によってお客さまの層も違い、利用頻度も変わるため、非常に予測が難しい課題でした。

PAPI（フィリピンに本社を置くセブン銀行子会社）では、この様な課題をCX部メンバーが開発したAIを導入し、将来の入出金額を予測しています。

フィリピンの通貨はフィリピンペソです

このとき、AIの学習は以下の様なプロセスで行なわれました。

1. 各ATMの設置場所、直近の取引量、祝日か否か等をAIに"特徴量"として入力

2. AIが未来の入出金額を、ATM-1は"ooペソ", ATM-2は"xxペソ", ...と予測

3. 実際の入出金額と予測結果を比較し、正答率が上がるように自身のパラメータを調整

4. 正答率が、人の勘と経験を超えるレベルに達したので、AIを本番環境にリリース

現在はこの開発したAIがどれだけの効果をもたらしているかについて、検証しています。

人々の暮らしを豊かにするために試行錯誤するAI

人が、出来るだけ美味しいものを食べたい、という気持ちで試行錯誤するのと同じようなプロセスを経て、AIは様々なデータから学習し、人々の暮らしを豊かにするよう活躍しているんですね。

今回は｢AIの機械学習｣について、またセブン銀行での活用例についてお伝えいたしました。新しい技術やツールについて、皆さんの理解の一助になれたらとても嬉しいです！

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今回は技術部門のメンバーに執筆をいただきました！難しい内容を誰にでもわかりやすく伝えられるスキル、見習いたいです。セブン銀行では技術部門のメンバーの採用も行っております。ご興味いただけた場合は採用サイトもぜひご覧ください。

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