成長するのは会社ではなく、社員個人【SEVEN BANK NOW】
企画部という部署は多くの会社に存在しているものの、その業務内容を簡潔に述べるとなるとなかなか難しいのではないでしょうか。社内外を横断した情報収集、会社全体の会議体の運営等、経営に関わる意思決定をサポートしていく企画部の業務は多岐に渡っています。
今回は、企画部の合田雄登さんと、中期経営計画を達成するためのポイントや取組みについてお話ししました。
企画部は経営層の意思決定をサポートする参謀
―企画部って、「重要そうなのはわかるけど、正直、実際何をしているかわからない…」みたいな反応をされること、ありませんか?
合田:そうですね(笑)。自分自身も、企画部に異動してくる以前はそう感じていたので、気持ちはよく分かります。一言で言うと、会社の経営層が経営に関する意思決定をするために、サポートしている参謀的ポジションであることが多いのですが、具体的な業務としては多岐にわたるため、分かりづらいかもしれません。
―合田さんの場合、事業部で口座保有者向けのサービス開発やマーケティングという、ある意味企画部の真逆の部署から異動を経ていますが、どんな変化がありましたか?
合田:当たり前といえばそうですが、企画部では全社をスコープにして仕事をしていくので、担当事業のことだけを考えていたときよりも、視野は広がったと思います。口座保有者向けの金融サービスについては既知の内容が多かったのですが、収益上の中核になっているATMプラットフォーム事業については知らないことが多く、最初はそこについてキャッチアップするのに一生懸命という感じでした。とはいえ、これは個人の特性だと思うんですが、気持ちとしては「頑張ってついていこう!まずはそこからだ」という感じでした。
視野が広がるとともに、これまであまり知りえなかったスタートアップへの出資や、新規事業に関する情報も入ってくるようになりました。以前はぱっと見た印象だけで、「なぜ当社がこの分野に投資するんだろう…」と思ってしまっていたような、直接的な関連性が見えなかった分野についても「こういう狙いがあってここに出資していたのか」と腹落ちする感覚がありました。
―背景情報が掴めると、意図の理解が深まりますよね。
合田:そうですね。同じように、企画部もできるだけ各部の状況や考えを正しく理解するために情報を集めていく必要があるんですが、そもそも必要な情報が各部でも効率的に取れるようになっていなかったり、こちらが読取るための知識が不足していたりということがあるので、そこから改善していく必要があると感じています。
―定量情報に関しては、各事業のコスト面とパフォーマンス面の数字を見ていくことが多いと思いますが、自分が全く知らない分野のことに出会う機会も多いのでしょうか?
合田:多いですね。企業価値経営やROIベースの経営などの話は特に知れば知るほど奥が深いです…。
いずれにしても、今回の中期経営計画を絵に描いた餅にしないためには、資源配分がキーになるので、事業ごとの投資採算性を出したうえで判断していかないといけないと思っています。もちろん、社員にもそれを理解してもらう必要が出てきます。
―資源配分というと、予算をどう使っていくかということですかね?
合田:そうですね。どちらかというと、これまで当社では投資採算性をベースにした判断よりは、新規性や将来性などの定性情報で判断をしてきたことが多いのかなと感じています。必ずしもそれが悪いわけではなく、そのおかげで、提携先の拡大やATMの機能の拡充、新しいサービスの開発などをスピーディーに行うことができた面はあると思います。
今後はそこに加えて、投資採算性などの定量情報を加味した判断をしながら、会社として注力する事業の選択に納得性を持たせていく必要があると考えています。
―なるほど。判断基準が前より体系化されるイメージですね。
合田:そうですね。各論の話をしてしまうと、どんな取組みも会社にとって意義やプラスの影響があるので、「どれもやった方がいいよね」という総花的な結論にどうしてもなってしまいがちです。そこに全体としての優先順位をつけられるようにしていくイメージです。
―確かに、取組んで害があるプロジェクトなんて、そうそうないよねという…(笑)。
合田:そうなんです(笑)。だからこそ、みんなが納得できる方針をいかに作れるかということになると思います。
成長を実現するカギは適切な資源配分
―中期経営計画について聞いていきたいのですが、ポイントをあげるとするとどんな点でしょうか?
合田:やはり成長戦略の部分になると思います。中核領域であるATMプラットフォーム戦略に加え、リテール・法人への事業多角化と、海外事業の展開という4つを戦略としてあげています。
―ATMという強みを活かしながら、事業を多角化していくというメッセージが強いですね。
合田:はい。大事なのはここからこの計画の実現可能性をどう高められるのかというところで、やはり先ほど話に出てきた適切な資源配分による選択と集中を進められるかというところが肝になってくると思っています。
―社員の目線で言うと、挑戦したいことがそれぞれあるでしょうから、全社での合意形成をどう行っていくかが難しいですね。
合田:そうですね。社員の意志は尊重する一方で、経営側の意志、判断もこれまで以上に強く発信していく必要があるので、それをするに足る情報を集めていくのが自分ができることだと考えています。
社員も「やりたいことに積極的に挑戦する」というマインドは残しながらも、やりたいことが会社の方針と合っているかどうかを示すために、まずはスモールに始めてみてパフォーマンスや結果を出して、それをもとに予算を獲得していくといったような、やりたいことを実現するためのステップを踏んでもらうことになるのではないか、と思います。
―大変かもしれませんが、実際にそういったプロセスを挟むことで気が付く発見もあるはずですよね。
合田:そうですね。「ツールを導入すれば問題が解決すると思っていたけど、スモールスタートしてみたら思っていたよりも使える場面が少ないと気付いた」といったことはあり得ますね。他に良いアプローチがないかどうかを検討するきっかけにもなるのではないかと思います。
会社の成長を支えるのは社員個人の成長
―合田さんの業務は聞けば聞くほど大変そうなんですが、どんなときに喜びを感じますか?
合田:会社の命運を決めるような重要な判断に携われることは、やりがいを感じます。
端的に言うと「もっと会社をよくするにはどうするべきなのか?」ということを考え続ける業務なので辛いこともありますが(苦笑)、自分で考えたことを提案していけるというのは、モチベーションに繋がりますね。
当社にとってまさに今は第二創業期で、会社を取り巻く環境も日々変わっていっているというタイミングです。その分、変化を恐れず成長していこうという意志は経営にも強くあると思うので、この時期にこの業務に携われたことはよかったと思います。
よく「会社の変化や成長」という言葉が語られますが、会社の変化や成長というのは、個人の成長なくしてはありえないので、実際はそこを推し進めることが必要になります。
―確かに、実際に成長していく主体は社員一人ひとりになると思うのですが、それをサポートすることも考えていますか?
合田:そうですね。コロナ禍を経て強く思っているのは、社員同士のオープンな交流機会をもっと作っていきたいということです。
成長や変化をしていくには新しい情報が必要ですが、やっぱり知らない人から情報を得るのは難しいじゃないですか。自分でも何か他部署のことで知りたいことがあるときは、どうしても知っている社員に話しかけて聞くことが多いのです。そう考えてみると社内に知らない人が多いという状況は、たくさんの機会損失を生んでいるんだなと思います。
―顔が広い人ほど情報が集まるという原理と同じですね。
合田:はい。コロナ禍の前は、全社のイベントなど、社員を知る機会を自然に享受していたのであまり意識しなかったのですが、今は自分と異なる事業に携わっている社員と知合う機会はどうしても少なくなりがちなので、ここをどうサポートしていけるかも併せて考えていきたいです。
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