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回復期病院 初期

初日の入院手続き後
病室の自分の定位置に荷物を片付けて同じ病室の方に挨拶をした。
転院したばかりではあるが、東京の本社から社長と取締役が私のお見舞いに来てくださった。これには驚いた。単なる一兵卒でしかない私に東京から会いに来てくださった。実は転院前日の急性期病院最後の日には人事部長と総務部長がお見舞いに来てくださった。なんでこのタイミングなのかはわからないのだが、仕事の都合上こうなったのだろうと思った。

リハ病院での1日はこんな感じだ。
AM6:00起床
AM7:00食堂に集まって朝食
AM8:50~リハビリスタート
リハビリはPT、OT、STと1時間ずつ合計1日約3時間
PM0:00食堂にて昼食
PM6:00夕食
PM9:00消灯
各食事の前には10分ほどの嚥下体操や、30分ほどのびのび体操があった。
嚥下体操は毎食必ず、のびのび体操は曜日によってだった。
その体操に参加できるように着替えや準備をしておかなければならなかった。この囚人みたいなスケジュールをしっかり時間通り守れるか不安だったがすぐに馴染んだ
夕食の頃には夜寝るときの服装に着替えなければいけないというルールだった
入院初日、「一人で着替えれる?」って看護師さんにきかれた。私は「着替えれません」と答えた。つい病前のときのようにTシャツなどは頭から着ようとするが、前後左右がわからない私は腕に頭を通そうとしたりしてしまった。看護師さんに麻痺側から腕を先に通すのだと指摘された。同時に「どうしてそんなことも知らないの」?とも言われた。手術して2週間しか急性期病院にはいなかったのだ。みんなある程度麻痺がありながらの対処法を身に着けてこの病院にやってくる中私みたいな患者はどうやら珍しいらしい。その都度看護師さんにため息をつかれた。
入院初日は慌ただしさの中から疲れもあったのか、消灯時間にすぐに眠りについた。

2日目、朝5時過ぎに目が覚めた。なんとなくトイレに行きたい気持ちになりナースコールをしてベッドから車いすに乗り移りトイレにも行きたいと告げでトイレを済ませた。
トイレを済ませてベッドに戻った6時前頃同室の方々が慌ただしく動き始めた。みんなトイレに殺到して、次は洗面所に殺到して歯磨きと洗顔をするといった具合だった。私は使用中の洗面所を見守りながらカーテンを閉めて前日に準備をしていた今日着る服に一人で着替えた。時間をかけながらなんとかごそごそ着替えることもできた。Tシャツの袖も麻痺側から健側の手を使いながらだとちゃんと着ることができた。この時肩は動くは動いていたがしっかり上がらなかったので教えていただいた着替えの方法はとても便利だと実感した。
着替えを終えて洗面所があいたタイミングを見計らってナースコールをしたがなかなか看護師さんが来てくださらなかった。また使用された洗面所を車椅子に座りながらあくのを待ち続けてようやく自分の番になって、歯磨きと洗顔を済ますことができた。
トイレにしろ、洗面所にしろ後ろについて並ぶということができない。空気を読んであいたタイミングで入らなければならない。この通り車椅子の乗り移りを自由にできない私はタイミングを逃すなんてことがよくあった。
自分なりに考えて早め早めの行動が必要だと思った。
何よりトイレに内側から鍵をかけられないことも私の悩みの原因だった。
洗顔、歯磨きを終えると朝食の時間の30分前になっていた。車椅子の操作がわからず、移動に時間がかかった。手でこいでいると予想外の方向に進んで行ってしまう。同じフロアの食堂にたどり着くのに時間がかかったが少しだけ動く足で車椅子を動かすと楽だということに気づいた。
リハビリは入院2日目から始まった。
病室まで療法士さんが迎えにきてくださった。
そのまま車椅子を押してもらってリハビリ室に向かった。
初めてのリハビリはPTだった。男性のPTの先生に、急性期病院ではどんなことしていた?って聞かれた。私は意気揚々と杖を使って歩いたこともありますと答えた。そしたら、「ヨシ!杖を使ってリハビリ室1周しよう」と提案されて膝折れ、膝がロックするあぶなっかしい歩き方で杖歩行をしてリハビリ室を1周した。そのPTの先生から膝がロックしてしまう対処法を教えてもらった。実は初日のPTの先生は私の担当のPTの先生ではなかったようだ。約1時間のリハビリが終わり病室まで送ってもらう。しばらく自分のベッドに居たら次に別の療法士さんが迎えに来られた。またリハビリ室に連れて行ってもらった。しばらく病室のベッドにいたら別の療法士さんが迎えに来られた。車椅子に乗り換えてリハ室に連れて行ってもらった。リハ室のベッドに乗り換えて若いお兄さんが隣に座った。おそらくその方が担当OTさんのようだ。第一声「さっき杖で歩いているところ見ましたよ。」
「早いなぁと思ってみてました」と言われて恥ずかしくなった。そのあと「何か困っていることはありませんか?」と問われた。私は「トイレに自由に行けないことが困ります」とだけ答えた。あとは手の動きを見られた。初回のPT,OTはそんな感じだった。そして入院2日目最後のリハビリはSTだった。主に嚥下と言語の評価だった。嚥下については問題なしと言われた。発生の練習と小さな紙コップに入った水を何度も飲まされたり、何度も唾を飲み込んだりした。4コマ漫画を見せられてストーリーを繋ぎ合わすとかそんなこともやった。リハビリのスタートはこんな感じだった。急性期病院を退院したときのこのリハ病院は超スパルタで、リハビリを真面目にしない人は病院を追い出されちゃうから頑張ってねと言われていたことを思い出していた。

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