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抜糸した

一般病棟に移って2日後5月28日
病室に突然数名の医師達がやってきた。
看護師さんが私のベッド周りのカーテンを閉め切った
医師「じゃ、今から抜糸しようか」
私「抜糸って痛いんですよね」
医師「縫合するときより痛くないよ」
私「私ホッチキス入れられた瞬間覚えてます」
医師「そうそう、あなた送還嫌がって暴れたからホッチキス撃ってやったのよ」
このようなバッサリ、あっさりした女性の医師でした。
医師「じゃ、やるよ」
の一声で突然始まる。
内心処置室とかじゃなくて病室でかよと思っていた。
頭を看護師さんに固定されてペンチで1本抜かれた瞬間悲鳴をあげた。
やっぱり痛いよ。。。
この痛みに耐えるには自分の身体を固定せねばと思いうつぶせになってベッド柵につかまった。
ひとつずつ芯が抜かれる。抜くたびに金属のお皿に芯を置くものだからカラーんからーんという金属音が鳴り響く。
痛いのはまだ続く、いったいいつまで続くんだろうと思ったがなかなか終わらない。
金属トレーに乗せられた芯を見ると芯の先に血がついていた。ぞっとした。
医師が去り際に「もうお風呂入っていいからね」と言ってさわやかに全員去っていった。
そして入院して初めてのお風呂に入った。この時は特殊浴だった。ベッドのままシャワー室に入っていくやつ。とても気持ちがよかった。しばらくはずっと体を拭いてもらっていた。ありがたかった。久しぶりにさっぱりした。
同時にベッドのままシャワーができるだなんてすごいなって思った。
抜糸をして頭に巻いていた粘着質な包帯も外した。粘着面には私の短い髪の毛がたくさんトゲトゲにくっついていた。

この一般病棟での初めての病室だが、過酷な部屋だった。
身体の大きなおばーちゃんが居たようだが体が大きいだけに看護師さんもベッドから車椅子への移動が大変なようでベッドから落ちてしまったりとたびたび夜中に事件が起きた。
痛い痛いと叫びだしたり、いびきがすごくて私は何日も眠れない日を過ごした。
眠れないのはそのことだけではなく、頭痛が酷かったのもあったのかもしれない。
抜糸をして包帯をはずしてからは頭蓋骨がミシミシ言うのもいつの間にかなくなっていた。こうしてこの状態であと数日この病室で過ごすことになった。

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