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中学生のお子さん、くも膜嚢胞 + サッカーのヘディングが原因とされる慢性硬膜下血腫による緊急手術

 先日、朝日新聞の記事をご覧になった中学生のお子さんを持つお母様より、私が運営するコミュニティにメッセージをいただきました。

 今年の4月、息子さんがくも膜嚢胞が原因と見られる慢性硬膜下血腫の診断を受け緊急手術をされたとのこと。原因はサッカーのヘディングが原因だと言われたそうです。

 経過は良好で現在は元気に学校へ通われているそうですが、サッカーをプレイする子どもたち、保護者、指導者の皆さんにも、お子さんが手術に至るまでの経緯や症状を知っていただき、今後の注意喚起に役立て欲しいとのことで、お送りいただいたメッセージをこちらにご紹介します。

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 こんにちは。6/20付の朝日新聞記事を拝見しこちらのページにアクセスしました。

朝日新聞6:20

 この4月に、中3の息子が慢性硬膜下血腫で緊急手術をしました。それまで転倒など頭の打撲など既往歴が無いことから、サッカーのヘディングが原因ではないかと言われ、とにかく驚きました。(15年以上前に脳外科に勤務していましたが、慢性硬膜下血腫といったら高齢者の疾患という認識しかありませんでした)

 小学4年生の時に頭痛で受診した際に撮った頭部CTで、診断名は思い出せないが先天性の奇形の指摘があったことを主治医に伝えたところ、当時の画像を確認してくださり、それが「くも膜嚢胞」だった事が分かりました。

 ◆小学校時代
 息子は小3からサッカーを始めました。サッカーを楽しむ事に主体を置いていたチームなのでそれほどハードではなかったと思います。小4か小3の終わり、時々頭痛の訴えがありました。睡眠不足の影響かな?と思っていました。

 その後、小4の4月中旬、朝から「頭が痛い」と言うので脳外科クリニックに受診しました。(脳外科に勤務していた経験から、朝の頭痛は何かあるサインと直感的に感じたため)

 問診後「念のためCTを撮りましょう」と言われました。診察室でCT画像を見た瞬間に「なんだこれ?」と思う部分があり医師に尋ねました。「これはCTを撮った時に偶然発見される事が多くて、先天的な奇形なので病的なものではない」と説明を受け安心した事を憶えています。

 そして、頭痛との因果関係はなく今回は一過性のものだろうと説明を受けました。父親が頭痛持ちなので頭痛を起こしやすい性質の可能性がある。睡眠不足など頭痛の要因は避ける事が望ましいと生活アドバイスを受けました。
 今となれば、医師は「くも膜嚢胞」と説明してくれていたのかもしれませんが「先天的な奇形」の方が頭に残ってしまい、「くも膜嚢胞」を聞き逃してしまっていたのだと思います。

 受診した事で息子も安心したのか?意識して睡眠をとるようにしたためか、小学校卒業までは頭痛を訴える事は少なくなりました。たまに頭が痛いという事もありましたがだいたい睡眠不足の時でした。

 ◆現在中学3年生
 今思えば、今年の2月か3月、頭痛がするから鎮痛剤が欲しいとの訴えが2回ほど続き、久々に連続してるなと感じた事を思い出しました。

 その日は普通に登校しました。が、朝から軽い頭痛があったようです(私には言っていませんでした)。昼頃から痛みが強くなり部活を休み帰宅して、自分で鎮痛剤を飲んだそうです。

 本人は寝不足のための頭痛だろうと思い、夕飯を軽く食べ(食欲は無かった)19時半には布団に入りました。でも寝付けなかったらしく、21時頃うなっているので私が聞くと、「眠いけど頭が痛くて眠れない」と言います。頭痛を我慢しすぎると鎮痛剤が効きにくい可能性があると思い、22時に追加でもう1錠飲ませましたが30分以上しても効きません。でも眠さに負けて寝入りますが、30秒ほどすると「きー痛い!」と叫び目が覚めるの繰り返し。
寝入ったところを観察すると呼吸が停止している。本当に呼吸停止しているのか?と思い、血中酸素測定するための装置であるパルスオキシメーター(仕事上持ち合わせている)を付けてみたところ、明らかに酸素飽和度が低下し、測定不能になったところで「きー痛い」「頭の左側だけいたい。なんで」と叫ぶ。

 これは頭蓋内圧亢進症状?原因は思い当たりません。軽い吐き気があると言う。麻痺はなく対光反射も正常、受け答えも正常。

 どう考えてもこれはおかしいと思いましたが、夜中なので本当に救急にかかるべきか判断しかねると思い#7119(救急安心センター事業)に相談しました。その結果、受診が必要との判断で近隣の小児救急に受診しました。

 診察の結果、明らかな神経症状もない事からCTを撮る必要はない(CTは放射線被曝量も高いので)、一過性の頭痛でしょうとの診断を受け、鎮痛剤を貰って帰宅しました。診察時には寝ていた時とは異なり、呻くこともうずくまることも無く、親の目から見ても連れて来なくても良かったのか?と思う程だったので、そのときの医師の診断は仕方無いと思います。

 ところが、帰宅して鎮痛剤を飲んで寝入ろうとすると、また「きー痛い!」が始まって朝方まで続きました。6時半に声を掛けたところ夢から覚めたかのようにはっきり返答し、その後3時間ほど静かに眠りました。

 起床後も頭痛は続いていたので受診した方がいいね、と息子に言いましたが抵抗されました。最終的に、少し食べた朝食を突然吐いたことで受診が必要な事を理解し、以前受診した脳外科クリニックを受診しました。CT撮影で慢性硬膜下血種があり早急に対応が必要との事で、改めて昨夜救急受診した病院の脳外科に連絡をとってくださり緊急手術となりました。

 医師からは、硬膜下血腫は頭部打撲後に発生するケースが多い。転倒や交通事故による頭部打撲の憶えがない事から、おそらくサッカーのヘディングが原因でしょう、と言われました。

 夜間救急受診した際に、息子が頭痛が強い事をもっとアピールしてくれていれば、その場でCTを撮ったでしょうから即手術となり翌日まで苦しむ事は無かっただろうと思います。

 今回の経験を通して切に感じた事ですが、どんなスポーツでも日常生活においてでも、いつもとは違う頭痛を感じたら無理せず受診する事、痛みを適切に伝える、そして子どもには我慢させないことが大切と痛感しています。

==== 以上。

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