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オーバーユース ?オーバーケア?

アンケートについて

 noteを書き始めたきっかけが子どものいじめや怪我だったこともあり、カタめの投稿が続きましたが今回はちょっとユルめに。

 目の前にある問題を調査しているときに、自分のバイアスをどのくらい意識できるかは、事実を追求していくことと同じくらい大事だ。って始まりがそもそもユルくないか。でもいいや、続けよう。

 "バイアス"

傾向、偏向、先入観、データ等の偏り、思考や判断に特定の偏りをもたらす思い込み要因、得られる情報が偏っていることによる認識の歪み、といった意味で用いられる語。

 先週11月12日にスタートしたフットボールファミリー・ユナイテッド アンケート supported by「大人になってから学ぶサッカーの本質とは」、まだ2桁台の回答なんだけど、全体の8割を占める小・中学生のシリアスな怪我が多くて驚いています。

世代

怪我

 今日時点で、まだ30人超えたくらい(うち1人は息子)で、捻挫はまぁよくあるよねと思ったけど、骨折や肉離れのみならず、オスグッド病(膝)、シーバー病(かかと)といった僕には馴染みのなかった恐ろしげな名前の怪我が今の段階で回答数の1/3もある。ちょっと多くない?

 実はこの「怪我」のセクションを作ったのは僕じゃないんです。

 僕がファミユニを立ち上げた経緯として僕と息子の個人的な体験が背景にあったので、いじめ不適切と思われる指導法ヘディング頭部外傷といったトピックは当然入るし、回答される方もまずはそのあたりに敏感な人たちから参加していただいているのだろうと推測します。

 この「怪我」のセクションを作成してくれたのは、息子の元サッカー仲間のママさん(整形外科医)の1人です。だからそこに僕のバイアスはないし、その結果に考えさせられました。

オーバーユース ?オーバーケア?

 思い起こせば、たしかに息子のチームにも低学年で疲労骨折や膝痛で休んでる子がちらほらいました。

 週2日の朝練、週4日の午後練、週末は試合で3時間ぶっ通しとかあるし、試合後の午後練だってある。そりゃ怪我もするよね。夏は猛暑の中で合宿して一日中練習試合してたりするし。付き添いの保護者まで体調を崩したり。

 比較&参考までに、スペインの強豪チーム、ビジャレアルの育成世代の練習時間と休暇の割合はこんな感じだそうです(Jリーグの理事でもある佐伯夕利子さんのブログ記事より引用)。

 息子の年代(小4)に当てはめると、週3日1回の練習時間は75分冬休み15日、夏休み2ヶ月。年間の練習試合や公式戦合わせて45戦。年間の活動時間トータル188時間

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 コメント引用:

 表を見て頂ければ分るとおり、選手ひとりあたりに対するコーチの絶対数や、毎週末必ず試合に出場できる競技システム、ダラダラと何時間にも渡ってトレーニングをしないメリハリ、冬と夏にはしっかりと子供たちに完全休養を与える文化。
 つまるところ、練習を何時間行うかではなく、「学習効果を高めるためのスポーツ環境作り」が何よりも重要なファクターだといえる。
 併せて、これまでのスポーツ指導者の意識改革、新時代の指導者養成・育成も早急に何とかしなければならない。それこそ日本スポーツ界の最重要課題と言えるだろう。
 たまに私も機会があって日本の選手と触れ合うことがあるが、痛々しいほど、脳も心も身体も疲労困憊している。まさにあってはならないスポーツ選手の姿である。

僕の反省...

 子どもにとっては友達と遊ぶこと、家族と過ごすことも大切だし、公園の鬼ごっこだって駆け引きのトレーニングになる。サッカー以外のスポーツからも学べることはたくさんある。そもそも勉強だってしなくちゃね。

 でも、僕らの時代に比べて子どもの数は激減し、かつ膨大な情報が身の回りに溢れているせいで、自分の子どもは周りから遅れてるのかも、という大人の焦りが子どもの過密スケジュールを後押ししてないだろうか。

 正直いって僕自身、ついレベルの高いお友達と息子を比較してしまいフラストレーションを溜めることはあった(息子は自分の子ども時代より遥かに運動能力が高いにもかかわらず、だ)。

 「みんな走ってるのにダラダラ歩いてやる気あるの?」「ボール持ったら絶対に奪われないくらいの気持ちじゃないとダメじゃない?」「もっとしつこく追いかけないと」とか言ってた。

 ビデオを録って一緒に観ながら「ほら、ぜんぜん走ってないじゃん」「試合に使ってもらえないよ」とかコメントしてしまったこともある。あるある。息子はそれ以来ビデオを録って欲しいと言わなくなった。

 試合帰りの車で反省会したことある。もう前科だらけです。

 ある日、遠征して丸一日試合したあとに車で反省会しちゃって、幸いにも「オレだって一生懸命やってるんだよ!」って泣くし疲れてるしで息子がすぐに寝ちゃったおかげで「あぁダメだ、これだけはやっちゃいけなかったんだ!」と、我に返ることができた。

 当時息子は3年生。ゴールデンエイジなんて言葉もその頃に読んだ本から仕入れた情報のひとつ。

 僕自身、自分の父親は大好きだったけど、野球&陸上で県選抜に出るようなアスリートだった彼の一言を今でも忘れない。

 僕が小学校の行事でいちばん嫌いだったマラソン大会(次は運動会)で、ほぼビリッケツの順位カードを見た父が「俺の息子とは思えないなぁ...」と、つぶやいた。

 そんな父にひでぇな、と思いつつ、大好きなパパの期待に応えられなかった自分が心底情けなかったんだってことを思い出した。

 これはカナダのTRUE SPORTというコミュニティが制作したビデオです。試合後の車の中でアツくお説教をするパパと、それを聞きながらうなだれる子どもが出てきます。最後に出てくるコピーはこうです。

「子どもたちの70%が高校に上がる前にスポーツから去っていく。なぜなら、それまでにスポーツを楽しむことができなくなってしまうからです」

 親は少し遠くから見るくらいがちょうどいいよね。

「今日もよく頑張ったね。夕ご飯何食べたい?」くらいで。

 僕自身、パパ初心者としてたくさん失敗してきた。

 息子はサッカーから帰ってきたときよりも、公園で遊んできたときの方が、何して遊んだとか、誰と喧嘩したとか、木に登ってどんな生き物を発見したかなど、こっちから聞かなくても色んなことを話してくれる。

 それはきっと自由に遊んで楽しかったからだよね。夢中で遊んだのでしょう。

 子どもに限らず、何かに夢中になると意識が遠くまで旅するから、ふと素に戻ったとき思わず誰かに話をしたくなってしまうんだと思う。それってすごく素敵なこと。

 成長途中の子どもたちとスポーツの関わり方って、そういうところにヒントがあるんじゃないかなぁ。

 子どもの心と身体を守るというテーマにおいて、オーバーケア(親の関わりすぎ)はオーバーユースに繋がるのかもしれない、という自らの反省を元にした仮説でした。 

おしまい。


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