【ななちゃんのお産⑦】

今日は一ヶ月健診に行きます。
赤ちゃんもいなくて、産後一ヶ月健診。
待合室に赤ちゃんいたら辛く思ってしまうのかな。
毎回、大きいお腹で「今日は元気かな?」と確かめに行ってた病院に、赤ちゃんのいない状態で入るのが、悲しくないかな。
なんて、妙にドキドキしてる自分がいます。


今日は、産後〜退院までを書いていきたいと思います。

前回までの記事はこちら。

※死産のお話ですので、辛く感じられる方は読み進めないでくださいね。


2024.5.11ななちゃん誕生死の翌日。

ななちゃんと添い寝したけれど、眠れた。
夫に、ななちゃんつぶさないでね。と心配されてたけど、大丈夫だった。
夜中に何度か起きて、少し興奮状態ではあったけど、なんとか眠れた。
翌朝は、清々しい青空だった。


そういえば、11年前のこの日、ちょうど土曜日だった5月11日に、私たちは結婚式を挙げたのだった。
その時の天気は雨。
新郎新婦席のバックは窓ガラスで、海が広がっている会場だったのに、見事雨。
雨の中の神前式。

そんなことも思い出して懐かしくなった。

私たちは雨女、雨男だけど、やっぱりななちゃんは晴れ女だったのかな。
産まれた日も晴れ、そして、翌日の退院日も雨は降らなかった。


朝食が終わった頃だったか、先生がやってきた。
きっとお休みの日だっただろうに、また様子を見に来てくれた。

体調はどうですか?

何しても大丈夫だからね〜

そう言って、それから、死産届けのお医者さんが記入するところを確認して、それで、

明日の朝退院でいいですよね?
明日、朝診察しますね〜!
今日は、ななちゃんの手形足形とったりするのかな?

そんな話をして出て行った。
それから、ななちゃんの心臓をずっと見てくれた小児科の先生も、この日ななちゃんに会いに来てくれると、主治医の先生は言っていた。
本当に来てくれるのかな?なんて思ったけど、少し楽しみにしていた。


夫が来るのが午後で、午後になったら、手形をとったり着替えをしたりする予定になっていた。

午前中は、ななちゃんをときどき眺めたり、ななちゃんを抱っこしたり、そして、隣で読書したりして過ごした。


お昼ご飯食べた後くらいだったか、ななちゃんの心臓を見てくれていた先生がやって来た。
ななちゃんの顔を見て、

とてもよく頑張っていたからね。
よく頑張ったね。本当に…

と声をかけてくださった。

ななちゃん、〇〇先生来てくれたよー。よかったね〜。ななちゃんの心臓いつも見てくれてありがとうございました。

なんて話したかちょっとうる覚えだけど、口数の少ない先生が一生懸命、私やななちゃんに言葉を選んで気持ちを伝えようとしてくれてるのが、伝わった。

それから、私は先生のことで気になってたことを確かめた。私が読んでいた本の著者(産婦人科のお医者さん)と名字が一緒なことを、実はずっと気になってて、先生にご家族なのかと確かめたかったので、聞いてみたところ、親戚であったので驚いた!叔父と甥っ子の関係だった。

簡単な名字なんですけど、実は県内にはうちの家系くらいしかいない名字らしいんです。

と話していた。有名な先生の親戚の方にずっと診てもらってたんだな、ななちゃんが繋げてくれたご縁だな、なんて思った。

叔父さんにも、本を読んでくれていた患者さんがいたことを伝えますね!

そう言ってもらえた。私は、先生の叔父さんである産婦人科の先生が監修された映画を、娘を出産する前、お腹が大きかったときに見ている。だから、とても嬉しかった。

先生は、いつも丁寧にななちゃんの心臓を診てくれていて、そして、いつも誠心誠意をもって私たちに、診断の説明をしてくれた。すごくありがたかったし、感謝している。
ななちゃんのとーっても小さいであろう心臓の、とても細いであろう大動脈や肺動脈の弁の狭さがどうなっているかなんて、本当によくわかるなぁって、医療の技術の進歩はすごいなって思っていた。


さて、夫が来て、看護師さんをナースコールで読んで、手形、足形をとったり着替えさせたりした。

手や足があまりにも小さく、細くて、そして、掴んだらふにゃふにゃで壊れてしまいそうで、少し怖かったけれど、やっぱりななちゃんの大きさを覚えておきたくて、少しでも形になるものをそばに置いておきたくて、手形と足形はとることにした。夫が選んだ、ピンクっぽいインクで、画用紙に押した。小さかったけれど綺麗に残すことができた。


足形は一回うまくとれなかったので2回とりました


家に帰ってから、台紙を用意して貼ろうと思っていたが、いまだにできていない。


着せた洋服は、私の母が、ななちゃんが産まれてくる時のために、と用意しておいたもの。ななちゃんの病状などは常に報告してたので、万が一のときのために、小さく作ってくれていたのだと思う。完成した日に、ななちゃんの心臓が止まってしまった、と母が言っていた。


帽子、夏らしい甚平にスカート
そして、パンツも


大きさは、ちょっと大きすぎるくらいだったが、毎日身体から少しずつ水分が抜けているので、ガーゼやペットシーツのようなものを敷いていたので、大きめなくらいでちょうどよい大きさだった。
帽子も大きすぎたけど(胎児水腫で浮腫んでいると想定)、それも頭を別のもので包んでから、帽子が汚れないように上から被せたので、ちょうどよかった。


助産師さんも看護師さんも、先生も、みんな可愛いねーと言ってくれた。嬉しかった。


夫と火葬の日取りなどを決めて(斎場に電話して予約)、棺や骨壷のことなども相談し、夫は、子どもたちのこともあるので、また明日、退院の時間に合わせてくるね、と言って、夕方家に戻った。


ななちゃんと2人きりの、入院生活最後の夜だった。

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