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第4話

扉を開けるとまだ開店前の様で椅子がテーブルの上に置かれたままになっている。

『おや?可愛いお客様ですね、あなたがお電話して下さった方ですね。』
『はい』
『わたくしこのお店”Ailes du Diable"の案内人をさせて頂いております、魔鬼(マキ)と申します。』

私は、マキさんに丁寧にお辞儀をして案内された方に向かう、カウンターの奥にボックス席がありこの字型のソファ席に通された。そこにはあぐらをかいて鋭い目つきの柄の悪そうな男の人が、こちらを見つめて座っている。

『お連れしましたよ』

えっ?!

私はてっきりマキさんが相談屋だとばかり思っていたので、一気に不安になり助けを求める様にマキさんを見返した。
すると、何かを察したのかマキさんは優しく微笑み頷く。

『大丈夫ですよ、彼は容姿や表情は怖いですがとても優しい者ですから』

ふふ、と笑ってその場を去ってしまった。

行かないで……、と心の中で呟く。
そして、沈黙が2人を支配する。

…………。

…………。

うぅ……、気まずい……。

途中、飲み物を持ってきて下さったが氷が溶けて分離し始めているくらい時間が経過していく。

『依頼は何だ』

その強い口調に思わずビクッとなる。
震える両手を握り締め早まる鼓動を落ち着かせようとする。

スーーー。
フゥーーー。

深呼吸をしてゆっくりあの忌まわしく悍しい出来事話し出す。
いつのまにかマキさんも側に来て一緒に話しを聞いてくれる様だった。

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