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予知夢2

そんな事もあってか暫くは夢を見る事もなく平和な日々を過ごしていた。
あの夢の事もすっかり忘れて……。

『あっ、次音楽のテストじゃん』
『そうだった!早く行かなきゃね』

今週はテスト期間だ、副教科のテスト日であり、苦手な演奏会で練習不足もあいまって早めに行って練習しておきたい所だった。急いで準備をして小走りに教室を出た。

階段を降りている途中Kちゃんを見て話しかける。

『あれ?そのピン留め可愛いね♪前にもしてたよね』
『良いでしょ♪でもこれ昨日買った新作だよ?』

えっ?でも確かに見た記憶があるんだけど……。
そこで私はハッとする。
そう確かに見たのだ、私の夢の中で。


Kちゃんが危ない!!

まさにそう思った瞬間、夢で見た光景が今目の前に広がっている事に気付き、咄嗟に彼女の腕を強く掴んだ。そしてドンッとぶつかってくる人にKちゃんは痛っと声を上げる。

『もう〜、ちゃんと周りを見てよ!!』
『ご、ごめん』

間一髪で間に合った。

『危なかったぁ、ありがとうね』
『良かった、怪我しなくて…本当に…。』

心からホッとした。
この正夢は一体何なのか?
なぜ私だけが見えるのか謎だった。

でも、運命とは皮肉なもので、一度決められた運命の歯車はそう簡単には変えられないのだと知る事になる。



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