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パラレルワールド3

俺は街を少し歩いてみた。
時刻は夕方だろうか、少し薄暗くて日が落ち始めている様だ。周りの景色は少し田舎風で田んぼや寂れた家が立ち並んでいる、だが誰かがいる気配はしないのだ。そして看板を目にする、ネットで言われている通り何語だか分からない文字列が並んでいる。

そうだ写真撮ろう!と携帯を見て驚く。まるでバグっている様に画面がおかしくなっている。

うそだろ?!まだ買ったばかりなのに……。

その時だった。
俺の服の裾をツンツンと引く力があり下を見下ろすと小さい女の子が立っていた。

オワァッ!!

驚いて思わず声を上げそうになったのを口に手を当て押し留める。話してはいけないのだ。そんな俺を見てぎこちなく笑いぐいぐいと袖口を引っ張る、まるでどこかに誘導する様に。

これはヤバイやつじゃ……。

女の子は泣きそうになりながら日本語ではない何かを話したが俺には理解出来ない。こんなに必死で俺を何処かに連れて行こうとしているのは何故だ?と首を傾げていたら、遠くから何語か分からない声が複数聞こえてきた。
その声達は言葉は分からなくても怒っている様な口調だ。

なんかここにいてはいけない気が…。

俺は女の子に引っ張られるがまま付いて行った、古いボロボロの民家に連れて来られ床下収納的な場所に押し込まれる。

数分後、男達がドタドタと部屋に入ってきたが、女の子が上手くカモフラージュしてくてたのか見つかる事なく取り敢えずの危機は免れたのだ。

助けてくれたのか?なぜ?

その答えはすぐに理解する事となる。
そして周りが静かになったと思った瞬間俺が隠れている扉が開いた、そこには先程の女の子ではなく髪はボサボサ着ている服もボロボロのおじさんがいた。

ヤベッ!見つかった!

そう思った時。

『安心しろ、俺はお前の味方だ』

!!!

おじさんが話している言葉が分かる!俺が口を開こうとすると手で口を塞がれた。

『ダメだ!誰とも話してはいけない。帰れなくなる』

おじさんは全て理解している……。
彼はもしかしてこちらの世界の人間ではないか?そう思った。

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