Another Story3
クソッ、今回もまた逃げられてしまった。真島は悔しそうに舌打ちする。
一体アイツらの目的は何なんだ?
絶対に逃さない!娘の……マリの為に!!
真島の背後で黒い塊がゆらゆらと揺れ動いていたが彼は気付かない。
そして役目を終えたとばかりにお店がスーと消えて行った。
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彼は中々諦めが悪いですね……。
『あいつあのままだと闇に飲み込まれてしまう』
『心配ですか??ヨウマは優しいですね』
バツの悪そうな表情になりながら外方を向く。
照れ屋な優しいヨウマらしい。ですが……。
『これ以上手出しは無用です。もし彼が闇に飲まれるならばそれもまた必然です。』
少し強く言葉にするとレンもヨウマも表情が強張り固まる、マキの鋭く冷たい瞳に圧倒される。
『われわれはボランティアではありません、ちゃんと対価を頂いてます。本来必要以上に関わる事は許されないのです、わたくしとしましては彼らがどうなろうと興味は御座いませんので。』
沈黙が流れ重たい空気が漂いマキから黒いものが湧き出ようとザワザワと騒ぎ出す。
おや、少しやりすぎましたね。
これではお2人まで巻き込んでしまいますね。
気持ちを落ち着かせいつもの様に笑顔を取り戻す。
『さて、今日の所は閉店と致しましょう!』
両手でパンッと手打ちして合図を出す、レンもヨウマもスーと姿を消しゆっくりとお店の光も消えて行く。
少しお見苦しい所をお見せしてしまいました、大変失礼致しました。
先程の対価の事で御座いますか??
お客様から恐怖という対価を頂いて、それに当てられてしまった気持ちやお体を浄化させて頂いているのです。
私達が集めているのは”恐怖”で御座います。
なぜそんなものを?で御座いますか?
それは……知らない方が良い事も世の中あるので御座います。
それでは失礼致します。