12月25日-2
ーマリのXmasー
部屋には段ボールが溢れ返り足の踏み場もない。
毎回よくこんなに荷物が増えるもんだねぇ、なんて段ボールの山を見ながらしみじみとする。
『マリ〜』
『なに〜??』
母の呼び声に段ボールを避けながら進み、2階の階段の所で1階へと顔だけ出す。
『ちょっと頼みたい事があるんだけど〜』
嫌な予感……。
これ絶対面倒くさいやつだ。
そして私は、雪が降る中白い息を吐きながら歩いている。
お母さんってば人使い荒いよ!
ブツブツと文句を言いながら歩く。
引越しに必要な大事な書類を忘れてくるなんてあり得ないし!
しかも、作業しやすい様に来ていたジャージも着替えろとかなんなんだろう。
そうこうしていると、教えられた場所まで来た。
ここ……なの??
「ASTAN」と看板にが出ている店だ、でも明かりが消えていて中の様子は外からは見えない。
私、間違ってないよね??
少し躊躇していたら音が聞こえた。
シャン シャン シャン♪
『えっ??』
扉がスーと開いて…。
『メリークリスマ〜ス!!!』
大勢の声と大量のクラッカーの音に面食らっていると扉の中に引き込まれた。
ぱっと明かりが付き目の前には友達が並んでいた。
『はっ?……えっ??』
その時携帯がメールを知らせる音を出し、開いて見る。
ーーマリへーー
引越しは明日に変更になりました。
友達とパーティーを楽しんできてね✨
ーー母ーー
お母さん……。
込み上げる気持ちに涙が溢れる、それをそっと拭い皆んなが待つ輪の中へ飛び込んだ。
ありがとう!!
最高のXmasだよ!!