孝行野球
純然たる『地元の高校の野球部』ってのが少なくなって久しい。
サッカー人気に一気に追い越され、オリンピックごとに他の競技に有望株を奪われて、しかも少子化。チームを編成するだけでもなかなか大変なところへ来て、中学校で目立った成績を残した選手は私立高校からのスカウトも来るでしょうから、そらもう地方の公立高校が甲子園の舞台に立つなんてことはまさに夢のまた夢であります。
そらなんぼ地元の名士がコネクションを利用しまくって寄付金を集めたところで、中学校で軟式野球を始めた子がほとんどの地元の高校なんかですと、予選の第一試合から強豪校と当たってしまった時点でもうモチベーションを上げる方法すらない。
ましてやプロ野球なぞ…
いっそのこと夏の高校野球大会に限っては『都道府県選抜大会』でいいんじゃないんすかね?
真夏に甲子園球場で絶対にやるんだとしたらよ、予選大会の手間や負担も省けるし、何より選手層の薄い公立高校のピッチャーの負担なんかグッと軽くなる。
それには『もっと働け!高校野球連盟』だと思いますけどね?
夏の大会に限っては高校野球連盟が主導して、それぞれの都道府県の選抜メンバーでチームを編成して、全ての都道府県で10日間の合宿を経ての『都道府県選抜大会』にすればいいと思う。
春は今まで通りの秋の大会からの選抜でいい。
監督はそれぞれの都道府県選出の元プロ野球選手から高校野球連盟が依頼して、ちゃんとそれぞれコーチもつけて、各都道府県の有名企業にスポンサードしてもらって企業名入りのユニフォームも解禁してね?
どのみち高校野球連盟に加入してない高校は出られないんですから、つまり、全国津々浦々、高校生で野球部員はみんな『高校野球連盟員』なんですから、きっちり情報管理して指導していけばいいんでないの?
やっぱり『もっと働け!高校野球連盟』ですよ。申し訳ないけど。
夏の選抜に漏れた子たちは大学、社会人でレベルアップを目指せばいいんだし、プロ野球選手で甲子園出てない選手なんかいっぱいいるし、じっくり育成する方が伸びる子もいるし、それを見極めてやるのが指導者の役割でしょうし、高校野球連盟の仕事だと思いますしね?
『ガッツポーズ禁止』とか『女子マネージャーベンチ入るな』とか『企業ロゴ映るから使用禁止』とか、そんなことばっかり言うとらんと、もっと純粋に『野球の未来』について考えた方がいいんじゃないかってところまで来てると思いますけどね?
『勝つ』ことが至上命題ではないですね。
野球を通じての、野球を通じてじゃないと得られないであろう経験をですね。
そのために高校球児たちが人生で最も貴重だと言っても過言ではないこの3年間を、脇目もふらずにただひたむきに野球に打ち込んでこそ得られる大切なものですね。
エクスペリエンスが二の次になっちゃいかんのです。青春なんですから。