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琵琶湖外来伝
琵琶湖では『外来魚は駆除』と滋賀県の条例で定められています。
日本では『外来種を拡散させない』方向で法律が制定されており、『持ち帰りによる拡散』を防ぐため、外来生物はリリースしなければならない。
湖沼河川の内水系に棲む外来生物は主に『食用』として入植された経緯を持つものがほとんどで、代表的なものとしては『ニジマス』『ウシガエル』『ジャンボタニシ』等があり、マスの大型種『ドナルドソン』などは回転寿司でも好んで食べられています。
他にも『鯉』や『雷魚』も外来魚ですし、食用以外でも『錦鯉』は観賞用に『へらぶな』は釣りのために品種改良されたものであります。
利根川水系に多く棲むチャネルキャットフィッシュやへぺレイ、ハクレンにコクレン、カダヤシ、オオタナゴ、タイリクバラタナゴ、テラピア…数多存在する日本の内水系で繁殖する『外来魚』でありますが、十中八九は『ブラックバス』及び『ブルーギル』を差しておりまして、これらを拡散させないようにすることで、生態系が崩れることを防ぐのが上記条例や法律の目的であります。
『地元の川がネオンテトラで埋め尽くされている』状態であっても『ネオンテトラが優雅に泳ぐ美しい川』と思う人が多ければ、それが外来魚であっても駆除対象にはならない。
生態調査の結果などの科学的根拠は極めて薄い。
要するに『外来魚は駆除だ!』つってるそのほとんどが、人間のなんとなくのイメージを根拠にしたまさに『魔女狩り』でしかない。
魚は生きるため捕食をします。これは特に魚に限った事ではなく、動物も人も食べることで命を繋ぎます。至極、当然の行為です。
ライオンにはライオンの、ふくろうにはふくろうの、ブラックバスにはブラックバスの、ニジマスにはニジマスの適量があり、人間みたいに『食べきれずに捨てる』とか『買ったの忘れてた』とか、そういったバチ当たりなことはしない。
そもそも太鼓腹の人間に『食いすぎだ!』なんて言われたらブラックバスも立つ瀬がないですね。
琵琶湖では『駆除』を目的とした条例が制定されたことで、滋賀県はブラックバスやブルーギルの駆除に多くの予算を費やし、闇雲に獲っては殺すという無益な行為がここ十数年続いています。
あんなにショッキングピンクの卵を産みたくってるジャンボタニシはスルーなのにね?
アルバイトで外来魚駆除をやってる彼らには悪気も正義もそもそも何の違和感も無いと思います。ただのバイトですから。注文聞いて定食運ぶのと何ら変わりはない。
琵琶湖で稚アユやフナを獲って生計を立ててる漁師さんにとっては『害魚』でしか無いワケですが、それはブラックバスやブルーギルに限った事ではなく、鯉だってマスだって、カワウだって、渡り鳥だって、果ては人間も獲って食べるしね?
そもそも琵琶湖の環境だって変わってきてるでしょうし、護岸工事で産卵場所を無くせば在来種に限らず生物の数が減っていくのは当然だと思いますけどね?
『アユが大漁な年』
もちろん『ブラックバスやブルーギルの駆除が成果をあげているのだ!』と言う側面もあるでしょうが、稚鮎が豊漁の年でもブラックバスは変わらず釣れてますしね?
今や琵琶湖の生態系は世界でも珍しい豊かな多様性が存在する、世界で最も豊かな湖水環境であると言えるのではないでしょうか?
そんな豊かな生態系を誇る琵琶湖の湖岸に点在する『外来魚駆除ボックス』ですが、知らない人が見れば木製の上等なゴミ箱のように見えます。
確かに『釣った魚を入れるためのゴミ箱』で間違いないです。死体が中で腐っても臭わないように重い蓋で閉じられています。
子供がいたずらに蓋を開けては気味悪がっている姿を、私たちはどういった気持ちで見ていればいいのですか?
『悪いから殺して当然だ。』本当にそう言える人だけが『外来魚駆除ボックス』に釣った魚を入れたらいいんじゃないでしょうか?
たかが魚、されど魚。すべては地球の一つの命です。
たいがい釣りなんか遊びです。でも遊び半分じゃなく、釣れた魚を元気なうちにリリースすることで、魚の命についても親子で話し合うことが出来れば、この琵琶湖での外来魚に対する取り組みはもっと有意義なものになるんじゃないか?と思います。
ヴィーガン、たまには役に立て。