青森のリンゴ売り
『訪問販売法に則った商取引』
訪問販売・通信販売・カタログ販売・電話営業契約・マルチ商法・通信教育・語学教室・家庭教師・学習塾・エステサロンなどがそれにあたるのかな?と思います。
訪問販売ですから、基本的に飛び込み営業となりますので、とにかくスピードが命であります。
『断り方』や『態度』に腹を立てたり、それをいちいち愚痴ってる人もいますけど、その時点でもう『訪問販売』の才能は無いと思うし、着実に最低賃金を稼げる仕事に就いた方がいい。
例えばマンションや団地を回る場合、インターフォンを101号室、102号室と二軒分づつ押していく。昼間に廻るとすれば、時間のロスを考えて動かないとね?
この不景気でマンションや団地に住んでる『専業主婦』などという希少種が一体どれだけいるか?ってことですね。
しかも『訪問販売』に対しての免疫が出来てますんで『いきなり中ボス出たやん!』くらいの覚悟で臨まないとね?
とにかくいかに時間をかけずにお客さんと出会えるかにかかってます。
『訪問販売』などと言ってはいますが、手あたり次第ドアを開けてお客さんを見つけるという気の遠くなるような作業だと言っても過言ではない。
田舎の一軒家なんかは時間ばっかり食って売れないっちゅう訪販にとっては絶望的なエリアでありますから普通の感覚ならチョイスはしない。
都市部に育った営業マンなんかですと、『田舎の人当たりの良さ』をどうも錯覚してて、やけに時間をかけて廻るんですが、確率は都市部のマンションとほぼ変わらんワケですから、お客さんを見つける作業だけで日が暮れる。
昼下がりの独居老人宅、家に来た人と話すときはとにかくゆっくり丁寧に対応いたします。
訪問者の話は必ず聞くがほとんど理解出来ない。それよりも自分の事を話す。しかも『若いもんは仕事に出てていない』という『決定権無し』なのでね?
これが少子高齢化である日本の現状です。
身の上話が始まれば一先ず聞いて『では、寒くなってきましたんでどうぞお身体大事にしてください。』と中途切り上げるのが吉でしょう。
『青森からリンゴ売りに来ました。』
寒くなってきますと『これ絶対に違うよな?』という妙な訛りのおじさんがやってきます。もし本当ならリアル産直ですから買わない手は無いと思いますけどね?
昔やってきたそのおじさんは、インターホン越しに『今、留守なんで』と言うと『またよろしくー!』と隣の家に行きました。
『あ、こりゃプロだな。』と思いましたね。
『青森からわざわざこんな辺境の町までリンゴ売りに来る経費を考えたら一日何箱売ってペイでしょうか?』って算数の問題に出てきそうな話ではあるものの、次は『自然災害で売り物にならなくなったリンゴをフレッシュな瓶詰のジュースにしました。』がパターンだろうなと考えるとちゃんとストーリー立ててビジネス展開できるのが日本の訪問販売の面白いところかな?
そして絶滅危惧種であります。
みんなネットで買うからね?もう廃品回収でも古新聞より段ボールの方が圧倒的に多いんですから。