偶然SCRAP#43: なぜアート界はGreta ThunbergのGlobal Climate Strikeを支援しなければならないのか

(追記:2020年1月1日)
その行動について賛否両論のあるグレタ・トゥンベリだが、それ以外のところで、このアクションはどんな影響を与えているのだろう?と知りたくて、この記事を読んだ。

石油会社が企業イメージを良くするために広告代理店を使ったり、美術館に協賛したりしていることに対して、広告代理店や美術館に「ちょっとお前たちも考えろ」という動きがあるらしい。

それで広告代理店たちも連携して、「環境破壊に悪影響を与える企業から「いくらもらってるか?」を報告します」という、いかにもヨーロッパ的な動き。

行ったり来たり揺れ動きながらも前進してきた歴史を持つヨーロッパ。現在進行形ですな。批判するだけでなく、別のアクションが出てくる。それをドラマ仕立てにしないところが、ポイントなのかも。

ドラマ仕立てにすると感情論で良い、悪いになっちゃうというか、共感を作るのがドラマですからね。マスメディアがこぞって、全部が全部をドラマ仕立てにすることはないんでしょうね。まぁ、ドラマは感情移入しやすくて、わかりやすいですからね。なぜならドラマは作り手が受け手の共感を得る方法が確立されているから。

作り手の数より受け手の数の方がいっぱいいるし、色んな考えがあるし、表し方もいっぱいあるし。ドラマの作り手だけが正しいとか、ドラマの作り手のように語る必要はない。なぜなら、現実はドラマではないから。現実は複雑で多様。それをテーマにしたドラマは難しいですから、勧善懲悪の子供向け番組だらけになっちゃう。それもリラックスするには良いけどね。リラックスが全てだったら、思考停止になっちゃうよ。

(初投稿:2019年10月1日)
遅ればせながら、イギリスのアートマガジン「Frieze」で9月17日に掲載されていた地球温暖化危機のデモ(9/20開催)に関する記事を引用紹介します。

Opinion /
なぜアート界はGreta ThunbergのGlobal Climate Strikeを支援しなければならないのか
BY MEL EVANS
17 SEP 2019

今週の金曜日[9/20]に、世界中で気候の緊急事態を宣言するデモが行われます

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学校は休みだが、夏休みのためではない。それは私たちが最近経験しているおかしな天気と、気候そのもののためだ。もし、あなたがこの12ヶ月間を穴の中で過ごしていたのでなければ、あなたは、とても真似できるものでない、勇敢なGreta Thunberg のことを聞いたことがあるでしょう。1年前、彼女はスウェーデンの国会の外で、一人抗議活動を開始し、もし気候変動の緊急事態に対して行動を起こすならば、世界の国々の政府はすぐに取り掛からなければならないと呼び掛けた。今や、世界中の何百万人もの学童が、ハッシュタグ#FridaysforFutureの下、毎月学校を休んでいる。それは、彼らの世代が生きなければならないだろう破滅的な気候を防ぐため、政府、企業、産業の全てのグローバル・リーダーたちはすべきことをするようにというThunbergの世間に轟く要求に加わるためである。今日、この若きムーブメントは、このストライキに参加するよう大人たちに訴えている。

Youth Strike 4 Climate [気候変動に対する若きストライキ]という横断幕の下、学童たちは団結し、彼らは全ての分野の人々に9月20日金曜日の世界規模のストライキに参加するように訴えている。デモは、UK国内で100を超える都市で計画されている。国を超えた組織、Amnesty Internationalやgreen groups [気候変動枠組条約第1回締約国会議でのインドを中心とする産油国以外の途上国グループ], LushやPatagoniaといった小売企業に至るまで、参加することを表明している。The Trade Union Congress [イギリスの労働組合会議]は ‘workday campaign action [平日のキャンペーン行動]’に対する動議と改正案を受け入れた。これは、幅広い加入者で産業を越えて組織されている労働者に、仕事の前でも後でもこの学生たちに加わるように、そして気候変動の緊急事態宣言を行うように雇用主に呼び掛けたものだ。

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Photograph courtesy: Mark Ramsay, Flickr Creative Commons

アート界においては、すでに非常に多くの組織が気候変動の緊急事態宣言を行っており、金曜日のストライキへの参加を奨励している。ManchesterのHOMEやLondonのRoundhouseなどの劇場から、TateやJerwoodなどのvisual artsの組織まで、気候変動による危機へのアクションに対するアート界からの断固たる支持は、少なくともステイトメントとしては、ものすごく巨大である。もちろん、これらは行動において一致する必要があります。世界的な気候変動のストライキは、芸術に携わるすべての人に、宣言を実行に移す非常に重要な機会を提供します。Culture Declares Emergency ―UK芸術団体のグループーは、9月27日金曜日に行われる労働争議のストライキと同様に、この金曜日の気候変動のストライキにも参加するように呼び掛けている。9月27日のストライキでは、ミュージシャンやアーティストの印象的な出演者が予定されている。Create and Strike ―30社以上のクリエイティブ・エージェンシーのアライアンス―は、金曜日の抗議に参加するように他の人々に呼びかけ、9月18日水曜日にTate Modernでbanner-making session [横断幕の制作ワークショップ]を開催する予定だ。The UK Green Building Councilがしたように、The Royal Institute of British Architects [王立英国建築家協会]も、会員に参加を促した

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Culture Declares Emergency action, April 2019, Tate Modern, London. Courtesy: Culture Declares Emergency

さらにクリエイティブ・エージェンシーが炭素の排出量が多いクライアント から得た利益の割合を報告することを約束するExtinction Rebellion initiative [絶滅に抗うプロジェクト]は、30社以上の企業が登録するという結果を導いた。同様に、The Comms Lab は今、倫理的な意思決定を行うことを検討するために、広告代理店たちと協働している。なぜなら、石油とガス会社が、気候変動に対するアクションを妨害するために何億ドルをもコストを支払い 続ける限り、広告代理店は、化石燃料産業のパブリック・イメージの浄化のために大きな責任をもつからである。もし、広告代理店がその基盤となるサポートから手を引くとしたら、それは気候変動と闘うための信じられないくらい強力なタイプの直接的なアクションとなるだろう。

In an Age of Climate Crisis, the Art World Must Shun Oil Sponsorship [気候変動危機の時代にアート界は石油会社からのスポンサーシップを追放しなければならない]

未来の地球温暖化の最も直接的な影響を受ける子供たちによって巻き起こった金曜日のストライキは、歴史上最も大きな気候変動に対する抗議になることを証明されるかもしれない。それを無視したり、落胆に屈したりするのではなく、私たち全員は今、差し迫った革命的なアクションを求めて同じ船に乗らなければならない。なぜなら、各国の政府は、地球の表面の温暖化が1.5度を超えてはならないことに同意している一方で、地球の10%は、すでに2度以上の増加を経験しているからだ。The climate crisisは現実であり、クリエイティブな産業に携わる人々の関与は不可欠である。というのも、世界を作り直すことがいつも可能であることを人々に思い出させるには、誰が適任か?ということである。

The Global Climate Strikeは9月20日金曜日に開催され、9月27日金曜日を含め、丸一週間世界的に実施される。あなたの最も近所で行われる金曜日のストライキは、ここ で見つけられる―イギリスでは、200を超えるイベントが計画されている―そして、ロンドンで9月27日に行われるストライキで、the Culture Declares Emergency [文化緊急事態宣言]連合に参加しよう。

Main image: Greta Thunberg, Washington DC, September 2019. Courtesy: Getty Images; photograph: Sarah Silbiger

MEL EVANS:
Mel Evansは、Liberate Tate―Tateギャラリーにおいて非公認でライブ・アートによる介入の役割を探るアート集団―のアーティストであり、活動家である。『Artwash: Big Oil and the Arts [アートウォッシュ[アートによる誤魔化し]: 巨大石油企業と英国アート界の関係]』(2015年Pluto出版)の著者。

(訳) 雄手舟瑞


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