自伝④
話は戻り、幼少期の私。
二歳下に弟がいた。
活発な私に比べ、弟は泣き虫で静かな子だった。
そういった性格の差のせいなのか、周りの大人は弟ばかり可愛がっていたと、当時も感じていたことがある。
何かを成し遂げた時、また何かで褒められる時。
私よりも弟がフォーカスされ、弟だけが褒められる。私も頑張ったのになって思っていた。
仮に弟を太郎とし、私を花子としよう。
叔父は、「太郎はいいこさだけど花子は悪い子だから駄目」と、自販機のお釣りはいつも弟へ渡していた。子供ながらに傷ついていたが、大人になった今、叔父がそう思うのも無理はないなと感じる。
私は自分で言うのも恥ずかしいが、頭の回転が早くおしゃべりだし生意気な子供だった。
そういう環境だったのもあり、歳が近い兄弟がいるにも関わらず、一人で遊ぶごっこ遊びで「遊び」に対する工夫やアイディアが養われていった。
具体的には、動物のお人形を並べムツゴロウさんごっこ。ただ並べるだけではなく、キーボードに内蔵されているカーペンターズの音楽を流しながら、一体一体名前を呼んでいたのである。
当時テレビでやっていたムツゴロウ王国では、セントバーナードという犬種の「ボス」と名付けられた犬社会のボスが、そこの犬達をまとめていた。それを真似、私のぬいぐるみ社会のボスも存在していたのである。
幼稚園入園前とか4歳辺りだと思うが、結構再現にはこだわっていた印象がある。