なぜ川辺にくると落ち着くのだろう

もうこの川辺に5年くらい通っている。
2年前にはより近くに引越しした。
夏の暑い時と、冬の寒い時は、長居はできないが、ほぼ毎日通っている。
ぼくには膨大な暇がある。
なぜ、川辺に来ると落ち着くのかを考えてみようと思う。
ぼくの場合だけど。
この川辺には人がほぼいない。
たいていぼく1人。
風を感じる。風の音も。
川が流れているのが見える。
その水音も少し聞こえる。
夏前にはツバメがいる。
冬には鴨がいる。
春には野花が咲く。
冬に咲く花もある。
春から夏は草木が伸びる。
秋にはススキ。
そして冬にかけて落ち葉。
蝶々もいる。
白いの黄色いの、シジミチョウも。
バッタもいる。
蜘蛛もダンゴムシも、ミミズも、ハエもハチも、名前の知らない綺麗な色の虫も来る。
アリもいる。
虫たちは時々。
ここで、空を見る。
雲がある時が多い。
夜には星も見える、月も見える。
たまに猫がやってくる。
たまに人がやってくる。
たまに楽器をひいている人がいる。
ここで、いろんなことを思う。
友達のことを思う。
たまに川辺から連絡をする。
スマホで音楽を聞くこともある。
季節によって服装は変わる。
夏はTシャツ。
冬は厚着。
今はニット帽の上からパーカーを被っている。
長い時は、1時間くらいはいる。
短いときで20分くらい。
缶コーヒーなど飲み物を、その日の気分に応じて持っていく。
今の家は、川辺まで歩いて五分くらい。
たいていあぐらをかいて地面に座る。
雨の日は来ない。
ここで泣いた時もあった。
スマホをぼーっと見ることも多い。
ここにいると、帰る頃には、しょげていた気持ちが、ある程度晴れている。
これからもここに通うだろう。
鳥の鳴き声が聞こえる。
秋の虫の声の時期は過ぎた。
今は冬。
切ないな。
今は切ない。
自然の中に身を置く。
ぼくの大切な時間。
自分の影が地面に映っている。

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