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ポラリス
アイスカフェオレ、甘くて、おいしかった
たいていの人たちが眠りにつこうとする夜
きょうのあなたが描いた感情を
知っているのは
海の遥か異国の岸辺
会ったこともない、その人の目もと優しくて
ぼくたちを認識しない小さな羽虫
その存在をシェアしたよね
意味のある言葉を抱きしめたくて
書いています
わたしたちは、迷いますね
たくさんのことを忘れて
温かな言葉を話しますね
何もないから生きるんでしょ
宇宙があったから信じてるんでしょ?
すべての病は美しいから
雨に打たれたトビケラが羽を休めている
こぐま座α星 ポラリスが見てくれた
けどね、
寂しいっていう感情が大切なら、守ればよかったのに。失ったもののせいで泣いてしまうなら生きればいいのに。ぼくたちは途方もない時間を過ごし、見たこともなかった生き物が明滅を繰り返す。その最期、この宇宙の終わり。それでも、信じられなかった。新しい無数の関係が出会いと別れの儀式を演じること。
今年の春に見た、
菜の花と遊ぶ、可愛い蝶々
あの子たちはもうこの地球にいない
秋桜が消えて、微笑んだり戸惑ったりしながら白い雪が降る
また季節巡り、子どもたちの時が来る
何を言っているんだろう。言いたいことなんか何もないのにな。感情だけがとてもリアルで、叫び出したいような心が泣いている。でもぼくは知っています。とても悲しい痛みがこの世界を作っていることを。ただただ優しさだけが本当であるってことを。
もう夜は寒くなってきましたね。こんな時間までひとり夜の公園にいて、アイスカフェオレを飲みながら、この文を書きました。
昨日、キッチンにいたトビケラを外に出してあげました。羽が水に濡れていたので布の上で乾かしてから外に出してあげました。同じ日に名前を知らない小さな虫を殺しました。ごめんねと言いながら殺しました。
もうアイスカフェオレを飲み終えてしまったので家に帰ります。
夜空を見上げました。真っ暗な中にポラリスが白く光っています。
いつまでも光っている。
そう思うと、なんでだろう、泣きたいような笑いたいような気持ちになりました。