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ぬくもり考

よく手縫いは「ぬくもりがあるね」と言われますが、そのぬくもりはどこから来てるんだ!?を考えます。

一、対峙した際の感情

ミシン全盛の時代に、手でコツコツ縫うのはやばいですよねー。ここで「手縫い!?マジか!」という驚き、そしてねぎらいさえ発生するのでは。いやまぁそりゃそうよね、以降本題。


二、縫い目

人の手による「手縫い」なので、縫い目は一定じゃありません。

その【ゆらいだ縫い目】が、最大要因だと思います!!

●心境●体調●無心度合い●全体の俯瞰度

などは、針先によく現れます(熟練者ではどうか分かりませんが、僕のはかなり出る…)。その時の状態で左右される人間の手先。いやーいい仕事だなー。僕の夜の針目はなんだか気に入りません。ゆったりしすぎている時も。適度な緊張感やスピードがある時が一番いいなぁ。

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また、場所により【縫い目の細かさ】を変えます。

・生地ダメージが大きい所

・負荷の大きい所

とか。

古布は微妙に穴が空いてる事があります。返し縫いしたり、布の上に針目を出す被せ縫い?をしたりして対応します!

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脇下や馬乗りの空き止まりなども、負荷大なので、丈夫に縫ってます。

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これら人の手による仕事の不均一さが、ゆらぎを産み、無意識のうちにあたたかい…と感じさせるのではないでしょうか…!!

これらが一枚の服にドカンと混在しているのすげー。


三、一本の糸で縫われる

ミシンは上下糸2本ですが、手縫いは1本だけで縫われています。

これにより、【縫い目の安定度合い】が変わります。

ミシンではカッチリ・手縫いではふんわりかなぁ。

何度も洗っていると、手縫いの縫い目が現れてきます。二枚の布を、木綿糸一本のみでつなぎ合わせている姿!存在の不安定ささえ感じます。よくこれで衣類として存続できるなと。でも100年前の手縫い野良着や、産業革命以前のジャケットが普通に残ってるんだよな…。すげー。

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↑江戸時代の小袖。



以上三点が、現在思いつく「手縫いのあたたかみ」要因です!

糸を引っ張るだけで解けるから布にもやさしい。

手縫いファイト!


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