居留地研究とは何か?
筆者は文学部史学科を卒業しただけであって、建築に関しては素人と言っていい。正確に言うならば某大学の通信教育部の建築デザインコースを1年で退学してしまった。(退学の理由は経済的な問題と時間がなかったことである。)だから建築を語る資格はないのであるが、それでもこのホームページを通じ、居留地と建築との接点を探りたいと考えていた。
そもそも私自身、「居留地」という言葉に興味を持ったきっかけは旅行した際に地形が似ていると感じたことである。地元神戸、若い頃好きで何度も訪れた長崎、横浜、そして函館。いずれも港町と呼ばれ、異国情緒を売りにした観光都市にもなっている。坂があり、教会があり、外国人も住み、外国人墓地があり、山手から見る夜景も美しい。それらの共通項を辿って調べた先にぶつかった言葉が「居留地」だった。
さて、ここでは建築的な面から3つの参考文献をあげたい。
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