ふゆのあさ
夜ねむるときにはあんなにつめたくて、もう絶対ねむれないと思った足先が、今はあたたかい。
ふとんからでている頰がつめたくて、部屋の中の空気はぴりっとしている。
息を吐くと、ふとんにはねかえった湿気が自分に返ってきてうれしい。
まだ雨戸も閉まっているから部屋は暗い。
隣のふとんにはまだ、おかあさんと妹がぐっすり眠っている。
さむくて到底ふとんから出られる気はしない。さむい中で自分だけはあたたかいふとんにくるまっている、というのがしあわせなのだ。
おじいちゃんとおばあちゃんは、もう起きているのだろう。お勝手でおばあちゃんが働いている音がする。おじいちゃんはいつものように、にわとりの世話だろうか。
このままもう一度ねむってしまおうかとも思う。
なにしろ今は冬やすみなのだ。
そのとき、鶏がコーケコッコーーと、ひと声ないた。
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