夏の夕景nostalgia
おふろのお湯のにおいと、夕ごはんを作るいいにおいがして、大きく半面を網戸にした窓からレースのカーテンを膨らませて外の風が入ってくる。
風はぬるくて、暑かった今日一日をようやく終えようとする、夕方らしいにおいがする。
外で近所のおばちゃんが立ち話していて、何やら笑い合う声がしたと思うと、じゃあねー、どうもーと、別れる声が聞こえてきて、パタパタとサンダルで歩み去る音がする。バタン、とどこかの家のドアが閉まる。遠くで犬がキャンキャン吠える声もする。あれはきっと、4軒隣りの家で飼