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男木島(おぎじま)フィールドワーク_高松の魅力を探るプロジェクトに潜入
今回は「せとうち未来共創」の活動にゆくゆくは繋がっていけば,という思いで自分で参加したフィールドワークについてのレポートです.
香川県は高松市が取り組んでいるシティプロモーション推進事業として,「高松のミライ!COCOから」プロジェクト,というのがあります.シティプロモーションというと広いですが,市民により一層高松市の魅力を深掘りしてもらう機会をワークショップなどで提供して,結果として市民からの情報発信の促進やシビックプライドを醸成しようという試みです.
第1期が2024年の2月~3月にかけて開催され,その時にもご縁がありせとうち未来共創PJのコーディネーターとしてリサーチも兼ねて関わらせていただきました.
↑ 私たちのチームが提案したプランで引用した,ルイス・カーンの言葉にも市長直々に言及いただき良い思い出です.
そして,今回第2期.今回は,男木島のフィールドワークに参加です.男木島へは,高松港から女木島(めぎじま)経由で40分ほどのフェリーの旅.そこで,香川の森田桂治さんをガイド役に,レクチャーで一日,フィールドワークで一日,という行程が組まれており,12月7日(土)今年一番の冷え込みという良く晴れた日,一同は朝早くから男木島に向かったのでした.
港に着くと早速ネコ二匹がお出迎え.人になついており逃げる気配がありません.モデルを囲む写真家たちのように一行に取り囲まれていたのでした.
さて,男木島港から,一路徒歩で北にある有名な灯台を目指して歩きます.自動車だと軽トラでも無理そうな道幅の舗道を30人ほどが列をなして歩きます.30分弱で有名な灯台のふもとへ.有名なのはここが「喜びも悲しみも幾年月」という映画に出てくるから,という説明が一般的ですが,実際には,現存する石造りの灯台としては2つが残るのみとか.また,その意思がこの地域名産の「庵治石」という花崗岩で出来ているというのも建築ファンとしては見どころ.上がってみることはできませんでしたが,海から見るよりも意外とコンパクト.(小学生の頃出雲に暮らしていたことがあって,日御碕灯台:日本最大,を見慣れていたからかも)
大きさは思ったよりコンパクトながらも,男木島灯台の魅力はやはりその組積造(石積み造り)の素材現しの仕上げですよね,100年以上あの環境で風雨にビクともしない堅牢さを漂わせています.さすが庵治石.最高峰の肌理の石と言われる所以でしょうか.世界一高級な御影石という表現もされるほど.いつか内部に入ってみたいものです.
そこから,干潮の浜辺,岩辺で磯の生き物探し.貝や甲殻類を探します.ガイドの森田さんの解説で知れた,種類によって居つく場所が違うというのが面白いのです.生息域とか,そういう大きな自然界の動きを実感するというか.そして,潮が引いたときにしか通れない洞窟をみんなで通過したり.
その後は,来た道(一本道なのだ)を戻り,コミュニティセンターで島の住民,福井大和さんから島の歴史や風習をレクチャーしていただき,手作りの瀬戸の味でランチ.福井さんは,NPO法人男木島生活研究所の代表でもあり,島の未来をつくる人でもあります.
その後は,森田さん,福井さんのチームに分かれてフィールドワークの予定だったのですが,私は別の用件のため途中離脱…残念.でも,参加した皆さんのslack上のメッセージで後からもいろんなことが知れました.
このフィールドワークの前には,プロモーションとして参加者がIGの reel の作成も学ぶワークショップもあり,僕もトライ.
高松港から僅か40分でこんな小旅行気分が味わえて,海や緑の自然とゆっくり過ごせる場所がある幸せ.こういう場所(リトリート:日常から離れて静かに過ごす場所)が近くにあるということが,都会の生活ではなかなか味わえない豊かさです.そして,その一方で集落を存続するために立ちはだかる課題についても学び,みんなで知恵を絞る気持ちになれるのは,この場所を守りたいと訪問者であっても深く感じるからではないかと思います.
誰かの手引き(ガイド)があって共に時間と体験を共有するというのは贅沢なことですよね.自分にはない視点や気付きを提供されることで,自分の感覚が開いていく.それによって,場所や人や出来事が自分の体験になる,そしてその体験が,対象を自分の中の普段とは別の引き出しに仕舞うことになるのではないかと思うんです.ひとりで何かの目的を完遂する体験とは違う,繋がりのようなもの.
関係人口を増やす,という言い方がありますが,それは結局こういうことなのかなと.簡単にいうとファンになるとか,応援したい気持ちになるとか,自分も訪れたことがある,知ってる!という親近感のようなもの.
男木島,学生を連れてのフィールドワークを次は企画したいなぁ.
おまけ:
島での体験を音楽のプレイリストにまとめました.曲のタイトルが体験に紐づいています.日常からのリトリートのBGMによろしければどうぞ.