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ミュージカルと絵画の融合 「ヴィクトリア・ザ・ホワイトキャット」(1986年 ロバート・ハイルデル作)

<「美の巨人たち」放映番組2016.10.29 より主な解説コメントを引用>

 ダンス、メイク、衣装、舞台美術、照明などで組み合わされた「総合芸術」とされるミュージカル。

 歌とせりふと踊りを中心に展開する音楽劇。18世紀の英国のバラッド・オペラが源流といわれ、19世紀の米国では、初期のミュージカル・コメディーが生まれた。1920年代に確立するも、80年代以降は、「キャッツ」「オペラ座の怪人」「レ・ミゼラブル」などの英国製のミュージカルが、一時はブロードウェー・ミュージカルを圧倒する勢いを見せた。日本でも、劇団四季などが、ミュージカル上演で多くの観客を動員した。

 今回取り上げた作品 は、世界三大ミュージカルのひとつ「CAT’S(キャッツ)」。登場する24匹の猫ぜんぶが主役。日本でも、通算公演9,000回を超える超ロングランとして、多くの人々が鑑賞した作品。

 画家 ロバート・ハインデルは、現代のドガと称される。描かれた作品の中には、本番でのシーンはほとんどなく、リハーサルシーンでの一瞬を切り取ったかのような絵画がほとんどである。

 ハインデル云く、「彼らの緊張感がみなぎる手足の動きや、汗や息づかいまでをも表現しようとした」「私は、ダンサーの美しさに限りない畏敬の念を抱いている」「私が心惹かれるのは、ダンサーがその完璧な肉体を通して、感情を表現する能力です」と。

つまりは、リハーサルの時に「最高の美を生み出そうと苦悩しているダンサーの姿」に惹かれていた・・。

<私の番組を視聴しての主な感想コメント>

ミュージカルの記憶を辿るに、小学校時代の「社会科見学」であっただろうか。

 当時の日比谷「日生劇場」に、ミュージカルをライブで観た記憶がある。その後、自ら観たいと思って、劇場に足を運んだ記憶は、残念ながらわずかを数えるにすぎない。

 迫力のあるパフォーマンス、観客席まで出演者が降りてきて、劇場全体を盛り上げていった興奮は、幼いながら強い思い出として残っている。

 その圧倒的なパフォーマンスと世界観で、人々を今も惹きつけてやまない魅力ある作品が、「CAT’S キャッツ」なのだが、私は残念ながら、実際にはまだ観劇していない。

 ハインデルが、本番ではなくあえて、リハーサル時のダンサーの苦悩を捉えたという点で、完成された作品よりも、その過程での出演者の葛藤や、演技にかける情熱やチャレンジ精神といったものに、あえて着目した点に関心を抱いた。

 最初は意外な印象を受けたが、本番組の視聴をすすめていくうちに、ミュージカルの創作の過程こそが、「真のミュージカル」とした点にである。

 どんな仕事でも言えることだが、「成果」や「結果」は大事であるが、それにいたる「プロセス」や「過程」においては、どうだったのか・・・。つぶさに観察するには、「物事のどこに着目するか」も、あわせて大事である。そんなことも、心の中で思い描いた。

写真: 「美の巨人たち」テレビ東京放映番組2016.10.29より引用 

同センター視聴者センター許諾済。

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