ライラックライン
待っている
冷たい風と花束と
想い出を胸に抱えて
二人歩いた道端に
咲いてた花を覚えてる
冬から春に移りかけた
淡い匂いも覚えてる
さすらうどこかの旅人が
泣いてた子供に話しかけ
二人で話した空想話
いつか目にするようなこと
泣いていた
触れた手と手の温度差が
遠い距離を嘆いてた
暮らし始めたワンルーム
会いたい気持ちが減っていく
二人の距離は測ったように
いつも少しずつ遠くなって
桜の花が散るように
咲いてる日々が巡るように
暮れてく赤い夕焼けを
いつも二人で見てたっけ
楽しかった思い出が
擦れたアルバムの隅っこで
声を殺して泣いていた
君の行く道は僕の行く道と
いつも重なっているだろう
君とゆく日々は僕の毎日を
いつも支えてくれるだろう
ある線を越えて
去る君の影は
泣く僕を置いて
歩く違う線上を
僕のゆく日々と君のいない世界は
いつかまた重なるだろうか
君のいた日々と僕がゆく世界は
いつかまた出逢えるだろうか
泣いていた
触れた手と手の温度差が
遠いところにいるようで
楽しかった思い出が
擦れたアルバムの隅っこで
声を上げて泣いていた
待っている?
冷たい風と花束と
思い出を胸に抱えて
ゆく道のずっと先の
重なった線の向こうで
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