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緊急書き下ろし#関節夫の手のひら小説55真実と事実

緊急書き下ろし
#関節夫の手のひら小説55

真実と事実

フジテレビの報道ディレクターである圭介は、視聴率やスポンサーの意向により、事実を編集する現実に直面していた。彼は、報道の自由と同時に「報道しない自由」を行使するメディアの現状に疑問を抱いていた。  

大学時代の友人でフリーライターの真理子は、「真実」と「事実」の違いをテーマにエッセイを執筆するため、圭介に取材を申し込む。カフェで再会した二人は、報道が視聴者に伝えるのは事実の一部に過ぎず、真実が壊れやすいものであることを語り合う。真理子は自身の短歌「清かなる水面にありて真実は 花散るごとく壊れやすかろう」を紹介し、二人は真実を守るためには、報道の作り手と受け手が共に努力する必要があると感じる。彼らの対話は、壊れやすい真実を守るための新たな旅の始まりとなった。

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